MVNOのサービスという観点で見ると、アップロードの無制限化は大手キャリアから借りた帯域の有効活用ができるという点で合理的です。上記のように、モバイル回線は下りと上りが非対称的で、大きく下りに偏っています。そのため、ユーザーの規模に合わせた帯域を用意すると、上りの回線がスカスカになってしまいます。実際、お昼休みなど、ダウンロードが1Mbpsを切ってしまうような時間帯でも、アップロードはいつもと変わらない速度が出ていることが多々ありました。接続料が下がり、各社が帯域を増強した現在では、お昼休みとはいえ、1Mbpsを下回るほど極端に速度が低下することは少なくなりました。結果として、元々余裕があった上りの帯域は、さらにガラガラに近い状態になったと言えるでしょう。帯域が限られているため、使い放題のサービスを提供しづらかったMVNOですが、上りに関しては話が別です。
NUROモバイルが上りの無制限サービスを提供するのは、これが初めてではありません。同社は、Xperia向けの専用オプションとして、「Xperia限定プレミアム帯域オプション」を展開していました。これは、文字通り、一部のXperiaユーザーに専用帯域を提供するサービス。現行のNEOプランに近いコンセプトですが、ここにはアップロードが無制限になる「アゲ放題」も含まれていました。上りのトラフィックを増やすためのサービスは、以前から模索されていたというわけです。あげ放題以外の事例では、トラフィックのほとんどが上りになる監視カメラ用回線を法人向けに提供するなどして、トラフィックの平準化を図っているケースがあります。IoTやM2Mなど、“機械の通信”で上りに特化したサービスは、さまざまなMVNOが提供しています。一方で、動画配信やオンライン会議など、コンシューマー向けのアプリケーションも出そろい始めています。そんな状況に合わせ、帯域の有効活用という発想をコンシューマー向けに応用したのが、あげ放題と言えそうです。一方で、モバイルネットワークはその利用形態に合わせるため、上りより下りに多くの帯域が割り
ただし、これは大手キャリアの規模感で同様のサービスを提供したときの話。相対的にユーザー数が少ないMVNOであれば、ネットワークに与える負荷はそこまで大きくはならないでしょう。その意味で、あげ放題はMVNOならではのサービスと言えます。大手キャリアの値下げで、生存領域が小容量のサービスに狭まってしまったMVNOですが、NUROモバイルのような工夫の余地はまだまだありそうです。
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