12日の東京株式相場は上昇。三井不動産が発表した資本効率改善策が好感されて不動産株が急騰した。米ハイテク株の反発を受けて半導体関連株も高い。 ＴＯＰＩＸの上昇に最も寄与したのは三井不。構成銘柄2146のうち1114銘柄が上昇、924銘柄が下落した。上昇をけん引したは不動産株で、東証不動産業指数の上昇率は５％で2020年11月以来の大きさとなった。
東京エレクトロンやディスコといった半導体関連やソフトバンクグループなどの情報通信関連株も高い。一方、第２四半期の営業利益が市場予想を下回ったファーストリテイリングが下落し、東証小売業指数が安い。三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループや東京電力ホールディングスなどこのところ堅調だった金融や公益株も下げた。 12日の債券相場は中長期債を中心に下落（金利は上昇）。新発５年債利回りは午後３時過ぎに0.49％と2011年４月以来13年ぶりの高水準を付けた。日本銀行の早期追加利上げへの警戒感から売りが優勢だった。30年債と40年債は最近の金利上昇を受けて投資家の買いが入り上昇した。 東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストは、米消費者物価指数（ＣＰＩ）ショックによる米長期金利上昇と日銀の早期利上げ観測により「債券市場の地合いは良くない」と語る。ただ、30年債利回りが一部投資家がターゲットとする1.9％台にあるなど「超長期債には値ごろ感が出ており、押し目買いが入った」と指摘した。 12日の東京外国為替市場の円相場は１ドル＝153円台前半で小じっかり。海外時間に153円32銭と1990年６月以来の安値を更新した後、週末を前にポジション調整や国内実需による円買いが優勢となり、一時は152円台に上昇した。 ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、ポジション調整による円買いが先行し、さらに仲値にかけて円買いが強まったと指摘。「153円台ということで水準的にもいったんドル売り・円買いが出やすかったのではないか」と説明した。
一方、金融機関による公示仲値の公表が終わった後は、円が伸び悩んだ。小川氏は、米消費者物価指数（ＣＰＩ）の上振れを受けて米国の年内利下げに対する見方が大幅に修正されており、「投資の前提が変わる中でドルは買われやすい」と述べた。介入警戒感と綱引きしながら、155円に向けてじりじりとドル高・円安基調が続きやすいとみている。 大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、長らく壁とみられていた152円を突破したことで、152円が円の上値の重しとして意識されているとし、「152円台半ばまで買い進まれる中で円は重くなりそうだ」と述べた。
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