試行錯誤のたまものだ。中学１年時に内野手から投手に転向した。当初は「何も分からなかったので、投げ方をいじっていた」とリリースポイントを模索。最終的には頭上から投げ下ろす現在の投法に落ち着いたが「色々試したので（球が）規則的な回転ではないと思う」と、独特の武器を手に入れた。
最後の夏へ、順調な仕上がりを見せている。６月末に静岡大との練習試合で登板。相手は１、２年生主体ではあったものの、全日本大学選手権に出場した強豪打線に４回２安打無失点と力投した。「春以降は高めに抜ける球が多かったんですけど、静大戦で直球を（コースに）狙うポイントをつかんだ」。リードする松井大空捕手（２年）も「低めを徹底できた。直球が動くので、低めに投げられればゴロを打たせられる」とうなずいた。 米大リーグ・パドレスで活躍した牧田和久投手（現台湾・中信）らを輩出した名門も、甲子園出場は１１年春が最後となっている。久保は「目標は、静岡１位から日本一です」。動く直球を持つ男が、ブレないまなざしで頂点を見据える。（内田 拓希）
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