共産党が1月に開催した党大会で、同党初の女性委員長が誕生した。政策委員長だった田村智子参院議員(58=比例)で、主要政党における女性の党首就任は2016年9月に旧民進党で2代目代表となった蓮舫参院議員(56=東京)以来。共産委員長として約23年間も君臨し続けた志位和夫衆院議員(69=比例南関東)は、新たに議長に就任した。今回、長年にわたって同党の顔だった不破哲三元議長(94)が「引退」したことも踏まえると、今後は「志位氏が院政を敷く」(有力幹部)との見方が多く、「タムトモ」の愛称で親しまれる田村氏の〝行く末〟は「バラ色ではない」(同)とみられている。
党大会は4年ぶりで、1月15~18日の4日間、静岡県熱海市の党施設に地方組織の代表者ら約800人を集めて開催された。志位氏は冒頭、自民党の巨額裏金事件を踏まえて「岸田政権は末期的な状況で、自民党政治そのものを終わらせることが強く求められている」と力説。「日本の政治を変える道は共闘しかない」と述べ、野党共闘を進めるとともに次期衆院選での議席増を目指す考えを表明した。その上で「将来性のある若い幹部や女性が力を発揮できる新しい中央委員会を選出することも大会の重要な任務だ」として、執行部の世代交代の必要性を訴えた。 これを受け最終日の18日、志位議長・田村委員長を中軸とする新体制が決まった。田村氏は早大卒で、初の私大卒の委員長となる。在学中に入党し、国会議員秘書などを経て、2010年の参院選で初当選した。安倍晋三元首相(故人)の「桜を見る会」疑惑を巡る国会での鋭い追及などが評価され、一躍「党の顔」になった。議長に就いた志位氏は2000年11月に不破氏から委員長を引き継いだが、ここ数年は国政選挙で議席を減らすなど党勢の退潮が目立つことに加え、党員数や機関紙「しんぶん赤旗」の部数の減少にも歯止めがかからず、党内外から「委員長交代」を求める声が高まっていた。
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