住宅街に迷い込んだ私たち。お友達はポールで規制された狭い道を上手に通り抜けられず、フェンダーがポールに擦れてしまいます。そして、こともあろうにそのまま「あ~、もう無理!このまま行っちゃえ~」と、アクセルを踏んだがために、フロントフェンダーからリアフェンダーまで、塗装が削れてしまい、友人宅に戻って二人ともこっぴどく怒られた…という話なんですけどね…。
いまでは笑い話ですが、当時は「マミとケイは、ロクなことしないっ!」と、それはもうこっぴどく叱られました。ちなみに私はまだ免許持っていなくて、えぇぇぇぇえ~! と、戸惑っているうちにガリガリという音が聞こえてきた…という状況で、止めようもなかったんですけどね。いまとなっては懐かしい思い出です。 ちなみに、なんでそこまで叱られたかというと、その事件が起きたのはクリスマスの3日前だったからなんです。友人のお兄さんは、買ったばかりの新車で彼女とのデートを計画していたんですよね…。あ~あ~。ごめんなさい…。と、話はずいぶん逸れましたが、それってフェアレディZの「いちばん正しい使い方」だと思います。いやいや、フェアレディZはスポーツカーだ!と言う方も多いと思いますし、私もスポーツカーだと思ってはいますが、どちらかと言えばスペシャリティーカー。平たい言葉で言うと、デートカーのイメージが強いんですよね。そして、男性が女性を颯爽とエスコートしてデートに繰り出す。そんな姿がこれほど似合うクルマも、なかなか少ないような気がします。
新型フェアレディZは、まさにそんなイメージに仕上がっていました。僭越ながら私のイメージ通りといった雰囲気(笑)。もちろん運動性能的ポテンシャルの高さで考えるならば、列記としたスポーツカーだということはよくわかっているんですけれども、今回は『GT-R』の開発チームが作ったということもあり「GT-Rはモビルスーツ。フェアレディZはダンスパートナー」という開発チームのこだわりが、ものすごくわかりやすく伝わってきたんですよね。 まだテストコースでしか試乗していませんが、私が試乗した日は運悪く大雨で、コース内は120km/h速度制限が掛かっていました。逆にそういったハードな状況下だったからか、クルマの挙動をよく感じることができまして、その時に伝わってきたのは「イザという時は力を瞬時に発揮する用意はあるけれど、そうでない時はジェントルにも走ることができるんだよ」という余裕たっぷりな感じと、本当に一緒にダンスを踊っているかのように、軽やかに舞う爽快なハンドリングがもたらしてくれる、ワクワクときめかせてくれる気持ち良さでした。そして、いまの時代、ダンスに誘うのは男性からだけではなく、女性からだって全然アリですから、そうなるとこのボディのサイズ感と、生き物っぽいフロントマスクのデザインは、女性のファーストカーとして考えた時にも、背伸びしている感じもなく絵になると思えました。
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