けて28日は敵地で軽めの最終調整。味方打線の援護も信じ、球団史上初の道産子開幕投手が大一番に臨む。「ワクワクしている。開幕投手はまだどこかでやるかもしれないけど、1回目は今回しかない。緊張して終わるのか、楽しんで終われるのかってまた違う。そこは肝に銘じて投げたい」
貫くのは自然体だ。昨年11月、新庄監督から「人間的に成長させる。責任感を持たせる意味で」と12球団最速で開幕投手に指名。その指揮官にはこの日「気合が入りすぎて地に足がついてない投球だけはしてほしくない。力を抜いて、3点はいいよぐらいの気持ちで投げて」と助言された。偶然にも右腕は練習中に松本剛から「4点取るから」と援護を約束されていたと明かし「気負いすぎず、信じて投げたい」と笑顔を見せた。 “本田流”の思考術で重圧と向き合ってきた。野球に対しオフから自問自答を繰り返す日々の中、ふと目に留まったのが元サッカー日本代表・本田圭佑氏の言葉。「TikTokを見てる時に『どうせいつか死ぬ。今を楽しまないと意味がない』と。確かになって。せっかくなら今を楽しんだ方がいい」。前向きに3・29を迎えた。登板日は敵地ロッテファンの大応援を受ける形だが「それをも楽しめるぐらいに」と言い切った。
鹿部町出身。29日は地元の公民館でパブリックビューイングも実施される。同郷の先輩である盛田幸妃氏(2015年死去)が自身の生まれ年と同じ97年に横浜で開幕投手を務めた縁もあり「鹿部町にすごく大きな縁を感じる。思いを持ってマウンドに上がりたい」。開幕戦で先発勝利を挙げれば大谷以来9年ぶり。20年から続く負の連鎖は、球団初の道産子開幕投手が止める。(堀内 啓太)
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