【新聞に喝!】理想と現実の丁寧な腑分けを 京都府立大教授・岡本隆司

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【新聞に喝!】理想と現実の丁寧な腑分けを 京都府立大教授・岡本隆司 サミットがG7の結束を示したといっては、あまりにナイーブな外交辞令だし、成果がなかった失敗というのも、期待過剰・ないものねだりというほかない。

G7広島サミットの討議で記念撮影に臨む(右から)フォンデアライエン欧州委員長、スナク英首相、トルドー加首相、マクロン仏大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、岸田文雄首相、バイデン米大統領、ショルツ独首相、ミシェルEU大統領、ベネデッティ駐日イタリア大使=5月21日、広島市

日本が議長国をつとめた先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は、5月21日まで3日間にわたって開催された。被爆地広島での開催、日韓関係の好転にともなう韓国大統領の招待なども相まって、内外の関心は格段に高まり、報道はほとんど四六時中のリアルタイム、SNSの情報もさかんに飛び交っては、一人の耳目ではとても追い切れない。それだけに世評も、新聞・メディアの論評も分かれたのは、やむをえない。関係者それぞれの立場・利害もはたらいて、結果に賛否両論あるのは当然、逐一あげつらっても意味があるとも思えない。被爆国で核廃絶を訴えたいのに、現実の国際情勢から核兵器の抑止力を必要とする。戦争放棄を訴えながら、軍隊を保有せざるをえない。それが日本の経てきた歴史の所産なのである。それなら虚実は明確に辨別(べんべつ)すべし。これだけ複雑な国際情勢、情報過多な社会になってきた現在、一人一人に求められる姿勢ではあり、伝えるメディアの責任も大きいはず。

すでにロシア・ウクライナ戦争も半ば情報戦、虚実ないまぜの声明・言論・映像が溢(あふ)れている。それは広島に集(つど)った各国首脳の言動も同じ、サミットがG7の結束を示したといっては、あまりにナイーブな外交辞令だし、成果がなかった失敗というのも、期待過剰・ないものねだりというほかない。 せめて報道に求められるのは、理想と現実を丁寧に腑(ふ)分けした冷静な分析と総括であって、虚実を直結短絡させたり、いずれかしかとりあげない偏向は、こうした時代だからこそ謹(つつし)むべきであろう。そのためにかつての広島が象徴する破滅と亡国の惨禍をこうむった経験が、われわれにはある。せめてそれを忘れない報道でなくては、広島サミットを伝える資格はあるまい。

 

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