【ジョセフHC“参謀”深川隆延 深掘り】日本代表は19日、滞在中のモナコで、大会期間中初となる連休を取って休息に努めた。激戦となった17日のイングランド戦を、静岡ブルーレヴズの堀川隆延アシスタントコーチ(50)が改めて深掘り。勝敗を分けたのはアンラッキーな失点ではなく、キックゲームの質の差だったと分析した。負けられない次戦のサモア戦(28日、トゥールーズ)への明るい材料や改善点も指摘した。日本のキック数は37本で、キック1本に対してラックの数(割合)は1・5回。総距離は925メートルだった。チリ戦は25本、割合は2・6回だから、いかに多く蹴ったかが分かる。イングランドはキックが42本で割合は2・4回、総距離1175メートル。戦前の予想通り、互いに主導権を握るためにキックを使って地域を獲得していくプランを持っており、数字にもしっかり表れた。
キックの再獲得数も大きな差が出た。イングランドは42本中、11本を再獲得してチャンスにつなげた。一方の日本は37本中3本。相手はバックスリーの背後へのキックで、日本を自陣にくぎ付けにした。キックチェースでもスピードと落下点の人数や密度に差があり、この点でもイングランドが一枚上。大きくて速い相手両ウイングが80分間通じて激しくプレッシャーをかけており、日本は体力を削られる結果になった。 明るい材料は、昨年11月の対戦から大きく改善できたスクラムだ。長谷川コーチが綿密に分析し、鍛錬したことが結果に表れた。選手も自信を持てたはずだ。守備でも相手のゲインライン突破率は46%、日本のタックル成功率は88%で、タックルはイングランドの86%を上回った。特にFW陣の防御への貢献度は高く、次戦以降も継続したい。
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