「神」が「王」を呼び戻した。 ヤクルト 村上宗隆 内野手(24)が、DeNA4回戦(神宮)の8回、2試合連続3安打となる決勝の3号ソロを放った。22年に最年少22歳で、令和初の3冠王を戴冠した村神様。今季はその年3冠王ルーティンを2年ぶりに取り入れる。「何が正解か分からない」と答えを探し続ける。18日の中日戦(バンテリンドーム)に続く2戦連発は、今季神宮初アーチ。神であり、王である男が、チームを最下位脱出に導いた。王者の風格。村上は、一塁へとゆっくりと踏み出した。バットは持ったまま。両手で持っていたものを左手に持ち替え、最後は右手に。見つめていた打球をもう追う必要はなかった。視線は一塁側ベンチ方向。豪快にバットを投げた。人さし指が示すは「1」。唯一無二、ナンバーワンの打者だからこそ、成せる約5秒間の確信めいた歩み。「いやもう完璧でしたし、久しぶりって感じです」。それ以上の表現はいらなかった。
覇王色さえ漂わせていた。3-3の8回先頭。2ストライクと追い込まれてからの3球目。「対戦の成績からして、高めのストレートで抑えられているというのがあったので、球も下から伸びてきますし、そこを意識しながら入りました」と、九州学院(熊本)の先輩・伊勢の真ん中高め速球をつぶした。「久しぶりに打てて、すごくいい球場で打ててうれしいです」。前日18日の中日戦に続く2戦連発弾は、ファンが歓喜する神宮で24年1発目。燕党が待ち受ける右中間スタンド中段へぶち込んだ。今季は、その時代に行っていた試合前ルーティンに戻した。杉村打撃コーチとの、2年ぶりの約10種類のティー打撃。<1>片手で右<2>片手で左<3>両手<4>足上げずに<5>真横<6>遠めの真横から速いトス<7>近くの距離から低め<8>斜め前から高め<9>前に進みながら5連続ティー<10>バットを振り下ろし、素振り後のティー。この日はロングティーも行うなど、王となり、神となった今もあぐらをかくことはない。村上...
破壊、そして再生、その先に創造がある。2年ぶりの理由も「今はこういうティー打撃をした方がいいのかなと思ってますけど」と時代に合ったモノを探している。ゴールは見えている。それは2度目の3冠王。その道を探す旅の途中。王であり神が、まだ知らぬ、新天地へ足を踏み入れる。【栗田尚樹】】▽ヤクルト高津監督(村上について)「昨日の1発もそうですけれども、昨日は先制で、今日はもう決勝のホームランと、本当になんて言うかな。4番の働きというか、こちらが期待してる通りの答えを出してくれましたね」
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