コロナ禍を機に、リアル店舗のあり方が見直されるなか、百貨店も新たな取り組みに動き始めている。大店を構えて顧客の来店を待つ営業スタイルが百貨店事業の基本だが、店外に新たなマーケットを求めたビジネスが話題を集めている。
阪急阪神百貨店（大阪市北区）は、７月１４日から、社会課題の解決に向けた新事業「走るデパ地下 阪急のスイーツ移動販売」を本格始動した。阪急百貨店で人気のスイーツを移動販売車に積み込んで販売するもので、店舗に行きたくてもなかなか行けない顧客に向けて、新たな買い物の場を提供する。「消費者行動の変化や高齢化、買い物困難者の若年齢化を背景に、規模は小さいが無数に存在するマイクロマーケットが第３の市場として浮上している。ここに着目し、百貨店のブランド力や商品供給力を活用し、お客様が便利で楽しく豊かな生活を送れるよう、不便の解消と幸せの提供をしていきたい」 移動販売車といえば、昔はパンや豆腐、鮮魚を売る店が多かったが、最近はデイリー食材を販売するスーパーやコンビニ、洋菓子などのブランドも参入。潜在的には、嗜好品であり、かつ品揃えが豊富なデパ地下スイーツのニーズも高まりつつあったという。
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