【ジープ コマンダー 新型試乗】チェロキーなき今、「程よさ」が売りのジープ…中村孝仁

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結局のところ、自動車の価値って一体なんだ?という素朴な疑問がわいてしまう今日この頃。改めてブランド価値を考えさせられた。

ジープである。かつて日本ではクロカン四駆の代表格という存在にすぎず、どう考えても一般受けはしないモデルしか作ってこなかったブランドである。もっともそれにはちょっと語弊があって、1960年代になると言わばSUVの元祖となる『ワゴニア』を誕生させているのでクロカン四駆一辺倒というわけではなかったのだが、当時日本でそのワゴニアは導入されていなかった。そもそもジープと言えば日本人が最初に思い浮かべるのは『三菱ジープ』であって、アメリカから輸入が始まったのは1982年頃にAMCブランドとして『CJ7』と『イーグルワゴン』が導入されているものの、その数はごく僅かであった。

ジープの価値が大きく見直されるのは1993年に『チェロキー』の右ハンドル仕様が導入されたことがきっかけだ。しかもそれを販売したのがホンダ系ディーラーで、ここからジープは俄然注目を集める存在になったと言って過言ではない。その間にメーカーはAMCからクライスラーに移り、そのクライスラーもダイムラー(メルセデスベンツだ)に合併され、さらにダイムラーが手放すと今度はフィアットが買収してフィアット・クライスラーオートモビルと社名を変える。ジープが大化けするのはちょうどこの時代である。アメリカ一辺倒だった市場がフィアットと合体したことでヨーロッパに広がり、さらに南米にも拠点ができた。 ヨーロッパ流を取り入れた『レネゲード』などが出来た結果販売台数が俄然拡大し、90年代の10年間の累計販売台数が63万台程度だったのに対し、2016年には単年で141万台を売り上げた。ミリオンセラーである。まさにブランドが確立され、ジープは単なるクロカン四駆から明確な価値あるSUVブランドへと進化を遂げたわけである。いま日本で販売されるコマンダーというモデルは、実は北米市場では販売されていない。販売されるのは南米、インド、それに日本だ。日本市場での位置付けは、消滅してしまったチェロキーの後継モデルというポジション。しかし、大きく異なるのは3列シートを持っていること。それに日本市場のジープでは唯一のターボディーゼルエンジンを装備することである。

このエンジン、フィアットのベースのマルチジェットIIと呼ばれるもので、ヨーロッパではフィアット、アルファロメオなどにも使われたもの。今でもイタリア本国のフィアット『500X』などに使われているものであるが、その誕生は2008年といささか古い。また、インド市場での燃料の品質を考慮しているのか、性能的には少し鷹揚なところがあって、マツダのターボディーゼルのような、しゃきっとしたところが無い。それに運動性能自体もやはりおっとりとしたもので、考えようによってはミニバンなどの上屋の高い自動車に慣れきっている日本人にとっては、それに似た感覚を持つコマンダーの動きは歓迎されるものかもしれない。

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