「古沢良太さん」「家康」「数正」、この3点が今回参加させて頂きたいと思った理由です。大河ドラマというと、戦国時代と幕末が多いという印象でしたが、中でも、今回は王道の徳川家康がテーマ。現代的解釈もできそうな徳川家康、そして謎に包まれた石川数正という武将に、歴史好きの私としては惹かれました。
一丸となって乗り越えようという意識で作品と向き合ってきましたが、家臣団の関係性は、現場外でも続いています。家臣団のLINEグループなるものが出来て、そこでも日常的に情報共有し合っています。撮休の人が「今日も頑張って」と送ってくれたりもしますし、コミュニケーションを重ねながら、みんなで支え合って乗り越えてきたという思いでいっぱいです。最初は小さな会社だった“徳川商店”。今川家の人質時代から家康を支えている古参の家臣たちに、平八郎・小平太・直政のような若いメンバーも加わってきました。小さな会社がじわじわと大きくなり、運良くどこにも飲み込まれず、何とかここまでやってきた。家康は本当に運がいいなと思います。
そう考えていくと、34回で描かれた出奔に関しても、数正にとっては “組織で働く”ことの葛藤や難しさがあったのだろうと。小牧長久手の戦いで勝利はしたものの、勝ったのは偶然と捉えていたのは、家臣団の中で数正だけだったのかもしれません。 天下を取る戦国大名がどれだけ海外と交流し、どれだけの武器を手に入れ、どれだけ強大な勢力になっているか。現実を見極める力が、家臣団にはまだそれほどなかったのかもしれません。だからこそ、色々なことに気づく目を持っていた数正は、苦しさや葛藤も抱えていただろうと想像しました。今川家人質時代、家康は15歳、恥ずかしながら僕は24歳の設定で演じていました。どう考えても24歳には見えなかったと思いますけど。 ようやくここにきて、みんな月代ができて髭も生やして、実年齢に近付いてきました。それでも昔の武将は日没までで戦を追えますが、「どうする家康」の武将達は日没関係なしに夜遅くまでスタジオで戦います。鎧の重みに耐えながら動くと身体的に大変で、僕自身、本当に「合戦はもうこりごり」という気持ちにもなりました。(笑)...
演じる上では、数正が出奔するというのは動かせない史実としてあるので、それを視聴者の皆さんにどう納得してもらうかというのを軸に考え、現場で色々やらせていただきました。...
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