メンタルヘルス(心の健康)の不調に苦しんできた27歳の若者が、否定的なイメージを払拭するために自身の経験を伝えようと全国を行脚している。大学時代に発病したうつ病はいったん症状が落ち着いたものの、社会人2年目に再発。これを機に、生き方を見つめ直し、一念発起して仕事を辞して経験を語り始めた。筆者も過去にメンタル不調に苦しんだ経験があり、積極的に対外発信を続ける当事者の声を聞いてみたくて取材に出向いた。(共同通信=星野桂一郎)▽漂白剤やシャンプーを飲んで…入院した学生時代
原さんはバスケットボールに情熱を注いできた。出身地の大阪府代表のキャプテンを務めたり、全国大会に出場したりするなど活躍した。そんな原さんが発症したのは、慶応大3年生の就職活動中のことだ。副キャプテンだったバスケットボール部での人間関係や、将来への不安が原因で眠れなくなり、漂白剤やシャンプーを飲んで自殺を試みた。その後、バスケットボール部に復帰。何とか卒業もして保険会社に就職した。実は最初にうつ病と診断された後、周囲に病気を打ち明けられず、病気については自らの記憶の片隅に押し込めていた。「悪い夢だったんだ。もう忘れてしまおう」。週1回の通院は数カ月続けていたが「友人や知人に姿を見られたくない」との思いからやめていたのだった。 だが、再び以前と同じ壁に直面して「このまま病気から目を背けていたら、残りの人生を前向きに生きられないのではないか」と自問した。
ただ、はじめは相手にされなかった。特技のバスケットボールを持ち歩き、訪問先の学校やクラブチームでスポーツ交流にも挑戦した。新聞やテレビに取り上げられ、徐々に講演の機会が増えた。自転車の全国一周を終えた2022年夏以降も講演活動を続け、学校や福祉施設など、これまでに約30カ所で話をした。厚生労働省によると、2020年に精神疾患で通院した人は、認知症などの高齢者を含め約586万人。このうち、25歳未満が全体の13・5%に当たる約79万人、25〜34歳が9・2%で約54万人、35〜44歳が13・3%で約78万人と若者や働き盛りの人も目立つ。 メンタル不調が原因で休業、さらには退職する人も少なくない。事業所を対象にした調査では、過去1年にメンタル不調で1カ月以上休業もしくは退職した労働者がいた割合は13・3%。事業所内の労働者のうち、1カ月以上休業した人の割合は0・6%だった。実は筆者もコロナ禍の海外単身赴任中に人間関係などに悩んでメンタル不調に陥り帰国後、一時仕事から離れていた。当時、東京都内のクリニックに通院。処方薬を服用し、日中を自宅などで過ごした。将来に漠然とした不安を感じていた。
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