」の典型であるといえます。サイバー心気症はGoogleなどの検索エンジンで自分の病状などの不安を検索し、検索結果から自分の不安をさらに増大させ、まるで依存しているかのように検索をし続けてしまうというものです。サイバー心気症はアメリカ精神医学において、診断によって認定できる病気ではなく、どれだけ多くの人が実際にサイバー心気症を患っているのかは不明です。
アメリカテキサス州のベイラー大学で心理学准教授を務めるトーマス・ファーガス氏はサイバー心気症のような「安心を追い求める心理」に関する専門家です。ファーガス氏はロンドンサウスバンク大学のマルカントニオ・スパーダ教授と共同で、サイバー心気症は「 」と強い関連があるという研究を発表しました。強迫性障害を持つ人は自分で決めた儀式的な行動をとることで不安が軽減されると考えていますが、サイバー心気症をもつ人にとっては、オンラインで自分の不安について何時間も検索することが「儀式的行動」というわけです。オンライン上の健康に関する情報は矛盾していることが多々あり、「どの情報が正しいのか?」を判断することは不可能。そのため、「どの情報が正しいのか?」というよりも「どの情報を信じるのか?」という問題になります。胸部に発疹を見つけたアベルさんは「炎症性の乳がん」だと一度信じ込んだ後、乳がんが珍しい病気だという情報は無視するようになり、乳がんだと確信してしまう情報ばかりを集めるようになったとのこと。
アベルさんは延々と乳がんについて検索し続ける生活を2カ月過ごした後、ついに病院で診断を受けることを決心。診断結果は「カンジタ病」というカビの感染症で、治療によってすぐ治せるような良性のものでした。Google検索で自分の病気について検索していた時、カンジタ病を指し示す検索結果は一度も現れなかったとアベルさんは語っています。
健康診断で何の異常もないのにめまいが酷くてネットで検索するよ毎日。
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