大阪府教育長に今春就任した民間出身の水野達朗氏(44)が 産経新聞 のインタビューに応じた。不登校の親子支援事業に長く携わった経験などから、「すべての子供に学びのアクセスを保障する必要がある」と強調し、「子供一人一人の個性に合わせたグラデーションのある学びを展開したい」と抱負を語った。4月に民間出身としては2人目の府教育長に就き、約1カ月がたった。大東市での受け持ちは義務教育の小中学校だったが、高校が加わったことで「守備範囲がかなり広がった」と実感しているという。
府教育長として〝主戦場〟となる高校は、今春段階的にスタートした授業料無償化で大きく趨勢が変わった。私学人気の陰で公立高70校で定員割れとなり、深刻な公立離れへの対応が急務だ。「(学び直しに力を入れる)エンパワメントスクールや、(基礎的な学びや地域と一緒に体験的な学びにチャレンジできる)ステップスクールなど、各校の特色をより打ち出すべきだ」と指摘。府教育庁の取り組みは面白いと思われるようなブランド価値を高める施策やプロモーションを積極的に行う必要があるとの考えを示した。 不登校に悩む多くの親子と向き合ってきた「不登校支援の専門家」としての自負がある。令和8年度以降の開校を目指す府立高校としての学びの多様化学校(不登校特例校)は「一定生徒の受け皿になる」としつつ、「学校を作れば万事解決ということではなく、一番の問題は学びを断絶された状態が続くこと。すべての子供に学びのアクセスを保障しなければならない」と強調する。
大東市教育長時代から「子供がワクワクできる学び」を打ち出してきた。ただ、スマートフォン一つで世界とつながれる今、従来の一方向的な授業で子供たちはワクワクできない。描く青写真は「家では体験できない最先端の学びに触れる学校」だ。 これまでの一面的になりがちな公教育では、個々の子供の特性などに合わせた学びができていなかった部分があるとして、「一人一人の実情に応じた学びの実現にICT(情報通信技術)が欠かせない」と話す。その一例として、それぞれの理解度に応じて出題するAI(人工知能)型ドリルの導入を挙げた。ジャンル :
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