日用品や食品、飲料などの商材で満たされる倉庫内。浦添市西洲の各卸問屋は県内の観光需要の増加に伴い成長を続ける。次々と運び込まれる荷物をさばくには手狭になりつつある。働き方改革に伴う労働時間規制は4月から輸送を担うトラック運転手にも適用される。受け入れる側も荷待ち問題をなくそうと効率化を図る模索が続いている。
沖縄総合事務局の運輸要覧によると、県内の運送事業者による一般貨物輸送量は、この10年間で増加してきた。2012年ごろまで年間2千万トン台で推移してきた沖縄本島の輸送量は19年度にピークとなる3899万7千トンまで上昇。コロナ禍は観光産業が低迷したものの、巣ごもり需要で3千万トンを維持した。輸送需要の拡大に伴いトラック数も増え、顕在化したのが運転手を拘束する荷待ち問題だった。荷主関係者は「予想以上の伸びだ。西洲の団地ができた当初ここまでは想定できてなかった」と現状の設備での対応の難しさを挙げた。 ただ全国で問題視される荷待ち時間は1時間以上。「2024年問題」対策の一環として、昨年8月から県内の運送事業者約300社へ陸運事務所と聞き取りした沖縄総合事務局陸上交通課は「県外の事例ほど長い拘束は見受けられない」と指摘する。「荷主や元請けも意識が変わって良好になっている。大きな問題にまではなっていないと聞いている」。同課はこの1年で県内の荷待ちが改善傾向にあるとの認識を示した。
「前日予約制を取り入れ、データも取りながら課題を整理できるようになってきた」。西洲内で事業を手掛ける卸問屋の1社は改善への手応えを感じている。大型車は荷降ろしに約30分を要するなど、データからトラックの大きさや積み荷の種類によって受け入れる最適な時間帯を整理できるようになってきた。 一方、早く荷降ろししたいドライバーが予約時間より早く到着して待機する事例があることも分かってきた。「ドライバー都合の早着で荷待ちと言われても正直困るところだ。お互いに都合はあるが、予約を徹底できれば改善できると思う」輸送と荷主が相互連携して情報共有し、物流全体を機能的に流動させる仕組みづくりが物流の「2024年問題」解決への鍵を握る。
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