輸送する荷物の積み降ろしのため、ドライバーが待機する“荷待ち”。全国的に労働時間の規制でさまざまな影響が懸念される「2024年問題」で、この荷待ち時間が大きな課題となっている。県内の運送関係者は「改善傾向にはあるが、県内でも荷待ちは慢性的に存在している」と声をそろえる。荷待ち対策検討委員会は、要因に(1)荷主の到着時間指定がない(2)入荷数に対し入荷口、保管スペースが小さい(3)ドライバーによる倉入れ作業―を挙げ、改善策として「搬入の予約受け付け」「施設面の改善や発注量の平準化」「運転以外の作業部分の分離」を提起した。西洲を出入りする運送業者によると、前日に入る時間帯を決めるなど徐々に荷待ち時間は改善傾向にはあるという。ただ、入荷口が手狭で出荷と搬入が交互となることによる車両の滞留や荷さばきする卸問屋側の人員を含めた受け入れ態勢によって「多い時で10台ほどが並ぶことはある」。
県外と違った慣習も頭をもたげる。実際にトラックの積み荷を降ろす作業だ。本来は荷主側が商品を取り扱うはずが、県内ではドライバーがフォークリフトに乗り込み、倉庫へ搬入していくことが日常的に。運送関係者は「県内ではドライバーが荷降ろしをすることが当たり前だと思われている。改善してほしいが、メーカーから依頼受けている立場上、契約問題になっても困るので運送側は言いづらい」とこぼす。 一般的に運送契約は「車上受け、車上渡し」で、「荷待ち」や「荷役作業」は含まれていない。「2024年問題」で人手不足による物流の不安定化を防ぐためにも、長時間労働を助長する荷待ち問題の解決が急務となっている。
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