台湾メディアの中国時報は11日付で、「チャイナ ショック 2.0、新たな貿易戦争の波が勃発」と題する記事を発表した。同記事は、これまでの中国と先進諸国の間の「貿易戦争」とは様相の異なる、新たな対立が生じる可能性が大きいと論じた。
中国大陸の改革開放をはじめ、1990年代から世界的に自由貿易が盛んになったことで「メイド・イン・チャイナ」は低価格競争力で世界を席巻した。これがチャイナショック1.0だ。中国政府は新型コロナウイルス感染症の混乱が一段落すると、経済を立て直すために輸出の推進に力を入れるようになった。かつての中国の輸出品が労働力集約型の加工品だったのに対し、現在は電気自動車(EV)、リチウムイオン電池、太陽光パネルなどの輸出が中国と西側先進国の間で問題になっている。中国の輸出力を支える構造が変化したことで、現在は「チャイナショック2.0」の時代に突入したと言える。 統計を見ると、中国の第1四半期(1−3月期)の工業生産能力の利用率は73.6%で、2020年第1四半期以来の最低水準だった。中国政府の公式説明では、第1四半期には春節連休(2月10−17日)などがあったので、設備稼働率は第2四半期以降は徐々に回復する見込みという。
中国は2001年に世界貿易機関に加入した後、欧米の消費者に良質で安価な商品を大量にもたらした。しかし米国側の主張によれば、米国では中国の輸出攻勢により家具や玩具、衣料品のメーカーの倒産が発生するなどで200万人以上の雇用が失われた。当時のトランプ大統領はそれらを口実に、18年に中国に貿易戦争を仕掛けた。 中国では新型コロナウイルス感染症の影響が薄らいだ時期に、長期的に培われてきたグリーンエネルギー産業の爆発的な台頭が発生した。中国での内需はまだ回復の途上だったので、国際市場への進出が最良の活路になった。一方で、現在の世界では米国を筆頭に保護主義が盛んになり、専業戦略では脱中国のサプライチェーンが絶えず構築されている。世界は「反中恐中」の考え方に満ちるようになった。中国のEV、リチウムイオン電池、太陽光パネル、さらには鉄鋼の強大な競争力は、欧米の目から見れば、国の安全を破壊し、その産業を侵害するものだ。
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