【名護】名護市が老朽化している市役所庁舎（市港）の移転・建て替えの基本方針を固め、沖縄県立北部病院（市大中）と名護商業高校跡地周辺（市大西）を有力候補地としていることが9日、分かった。現庁舎の保存を望む声もあり、市は一部保存やデジタル保存などを検討する。現庁舎は市制施行10周年の記念事業として1981年に建設された。象設計集団によるデザインで、56体のシーサーが設置（2019年に撤去）されるなどの斬新的な意匠で、81年に日本建築学会賞（作品）を受賞した。外を囲むコンクリートの花ブロックとブーゲンビレアが一体となった容姿は「インスタ映え」すると観光客からも人気がある。
市は新庁舎の検討に向けて、2023年10月に市民アンケートをウェブと紙面で実施した。回答者598人のうち現庁舎の更新について76・6％（458人）が「別の場所に移転して建て替え」と回答、現在地の建て替えではなく移転を求める声が多かった。移転した場合の候補地としては72・6％（349人）が「災害などの被害を受けにくい、安全なエリア」と答えた。市は「文化的価値がある建物として保存活用を望む声がある一方、耐震不足・維持管理費等を懸念する意見もある」とし、一部保存やデジタル保存などを検討する。
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