「つけるうそ全部ついた」患者語る賭博依存◆若者にも浸透、見抜くサインは【時事ドットコム取材班】

  • 📰 jijicom
  • ⏱ Reading Time:
  • 43 sec. here
  • 4 min. at publisher
  • 📊 Quality Score:
  • News: 28%
  • Publisher: 63%

ニュース ニュース

時事ドットコム,時事通信社

ドジャース・大谷翔平選手の専属通訳だった水原一平容疑者が、違法賭博の借金返済のため、大谷選手の口座から24億円超を無断送金していたとして刑事訴追された。水原容疑者は自身を「ギャンブル依存症」と告白。自分と周囲の人生を巻き込み、患者自身が「たとえ何億円勝っても、溶かし切るまでやめられない」と話す依存症の現状について、支援団体や専門医に取材した。(時事ドットコム編集部 太田宇律)

2024年4月6日、東京・茅場町にあるビルの一室で、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」が主催する家族相談会が開かれていた。参加したのは、配偶者や子どもらがギャンブルにのめり込み、借金や横領といったトラブルを起こした10組の家族。主催団体の田中紀子代表が「まずは、借金の肩代わりをやめましょう。金額が膨らむのを恐れて手助けしてしまうと、当事者はいつまでも回復を始められず、依存症が悪化するばかりです」と語り掛けると、参加者は真剣な表情でうなずいた。

「別居中の夫の借金の埋め合わせで、家計がかつかつ」「息子が会社のお金を横領してしまい、解雇されないよう自分が肩代わりしたが、また使い込んでしまった」―。田中代表は家族ごとに相談内容を聞き取り、家族や当事者同士でつながる「自助グループ」の紹介や専門施設への入院、自己破産や債務整理などを提案していった。田中代表によると、必要な対策は人によって千差万別で「オーダーメードが基本」という。 息子の横領について相談した女性は、転職と専門施設への入院を勧められた。転職については「早朝から深夜まで頑張って働いて、ようやく今の地位にたどり着いたと本人が言っているので…」と難色を示したが、田中代表は「ギャンブラーに会社のお金を扱う仕事をさせてはだめ。無理な働き方をしていると、ストレスでギャンブルが止まらない」と説得。「家族がかばってしまうと、いつまでも回復を始められない。まずお母さんが家族会に通って、正しい知識を身に付けて」とアドバイスした。実は田中代表自身も、競艇やカジノといったギャンブル依存と買い物依存に悩む当事者の一人だ。夫や父、祖父もそれぞれギャンブルの問題を抱えていたといい、夫の借金の肩代わりで生活が行き詰まったことがきっかけで、04年に夫婦で自助グループに参加。ギャンブルをしない生活を取り戻すと、当事者の家族を支援するカウンセラーとなり、14年に「考える会」を立ち上げた。

田中代表によると、国内のギャンブル依存症を取り巻く環境は、この数年間で大きく様変わりしたという。最も大きな変化は、スマートフォンを使ったギャンブルが浸透したことだ。新型コロナウイルス拡大による巣ごもり需要により、競馬や競艇といった公営ギャンブルのインターネット投票が急速に普及し、違法なオンラインカジノやスポーツ賭博サイトも流行。「考える会」では20年以降、家族からの相談のうち、オンラインカジノに関する相談の割合が約4%から約20%に急増しており、当事者の年齢も20~30代の割合が増加している。

時事ドットコム 時事通信社

 

コメントありがとうございます。コメントは審査後に公開されます。
このニュースをすぐに読めるように要約しました。ニュースに興味がある場合は、ここで全文を読むことができます。 続きを読む:

 /  🏆 32. in JP

日本 最新ニュース, 日本 見出し

Similar News:他のニュース ソースから収集した、これに似たニュース記事を読むこともできます。

「白じゃないとダメですか?」大人もはくおむつ◆試作品にいいね15万回、変わる価値観【時事ドットコム取材班】カラフルに染められた大人用紙おむつの写真が、SNSで何万件もの「いいね」を集めていた。「ブランドの勝負下着みたい」「気分が上がる」―。写真を投稿したのは、兵庫県内で障害児向けの放課後等デイサービスを経営する平林景さん(46)だ。大手製紙メーカーが国内の子ども用おむつ事業から撤退し、大人用に注力するなど、少子高齢化で注目が集まる「これからの大人用おむつ」の姿を取材した。(時事ドットコム編集部 斉藤大)
ソース: jijicom - 🏆 32. / 63 続きを読む »

「休日の業務連絡」対応する?しない?◆ぼやけるオン・オフの境目【時事ドットコム取材班】#令和に働く「この案件、分かりますか?」 休日の午後、スマートフォンに着信した同僚からのメッセージ。「急ぎみたいだから仕方ないか」とため息をつきつつ、返信を打ち始める―。こんな経験がある人も多いのではないでしょうか。スマホやチャットアプリが普及し、いつでも気軽に仕事の連絡ができるようになった現代。便利さと比例するように、「つながらない権利」にも注目が集まっています。(時事ドットコム編集部 川村碧)
ソース: jijicom - 🏆 32. / 63 続きを読む »

<体験談>ギャンブル依存症の人は身近にいる?もし家族に疑いがある人がいる場合は?身近に、パチンコや競馬などのギャンブルにハマっている人はいますか? ギャンブルは、自制心をもって楽しくできる範囲なら誰かにとがめられることではないのかもしれません。しかし、なかにはのめりこみすぎてしまい「ギャンブル依存症」におちいるケースもあります…
ソース: modelpress - 🏆 110. / 51 続きを読む »

『ビリー・ジーン・キング自伝 すべてに全力を尽くす』(辰巳出版)【今月の一冊】空気を読み、ネットの反応も気にかけつつ、コンプライアンスは常に意識しながら…。細かい束縛が多くて何かと息苦しいのが現代だが、社会の構造そのものが理不尽だった時代に、とてつもないエネルギーと情熱で世の中を変えた人がいる。米国出身の女子テニスの名選手、ビリー・ジーン・キング。彼女がいなければ、歴史の進み方は遅々としていたに違いない。(時事ドットコム編集部 冨田政裕)
ソース: jijicom - 🏆 32. / 63 続きを読む »

「トリセツ」で再登板に備えよ 「MMGA」と「風」がトランプ氏の肝◇元外交官・石井正文氏トランプ氏が大統領に返り咲くと、日本とその外交はどんな影響を受けるのだろうか。米国公使などを務めた元外交官の石井正文氏がインタビューに応じ、在日米軍が撤収されたり台湾有事が誘発されたりする可能性に触れつつ、トランプ氏の特性を踏まえて今から備えるべきだと強調。1期目で培った「トリセツ(取扱説明書)」に基づいて動くべきだと、具体策を交えて論じました。(時事ドットコム編集部 榊原康益)
ソース: jijicom - 🏆 32. / 63 続きを読む »

米オンライン賭博、業界団体創設 大手7社が依存症対策【ニューヨーク=清水石珠実】米国でオンラインを通じた賭けが急速に普及していることを受けて、業界側が「ギャンブル依存症」対策に力を入れ始めた。ネットカジノ運営大手7社は27日、共同で対策や啓発活動にあたる業界団体を立ち上げると発表した。年間2000万ドル(約30億円)以上を投じる計画という。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳水原一平氏が違法賭博に関わっていたとされ、米全土に余波が広がっ
ソース: nikkei - 🏆 135. / 51 続きを読む »