SL人吉の蒸気機関車「58654号機」の誕生100年を記念して開かれたイベントで、記念写真に納まる古宮洋二JR九州社長（後列左から3人目）や沿線関係者ら＝18日午前、八代市のJR八代駅（石本智）機関車は1922年に完成し、88～2005年には「あそBOY」として豊肥線を走った。SL人吉は2020年7月の豪雨災害で肥薩線が不通になるまで、熊本－人吉を運行。老朽化に加え、整備のための部品調達や要員確保が難しくなったため、同社は24年3月での運行終了を決めている。
18日は熊本－八代間を1往復した。八代駅での式典には、人吉球磨地区の観光関係者ら約50人が参加。熊本駅を出発したSLが11時18分に八代駅に到着し、100歳を記念したバースデーケーキの除幕や、石炭を釜に入れるセレモニーで祝った。同社の古宮洋二社長は「残り1年数カ月、われわれは一生懸命運行して、沿線の皆さまに恩返ししたい」とあいさつした。 ホームには、SLを一目見ようと大勢のファンが詰めかけ、「祝100歳 SL人吉」「58654これからも」と名残惜しそうにメッセージボードを掲げる人も。人吉鉄道観光案内人会の岡本勝男事務局長（82）は「SLは生きもののようで親しみが違うし、誇らしい存在だった。肥薩線の復旧がいつになるか分からない中、人吉に迎える前に運行終了となるのは寂しい」と話した。（山本遼）
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