機械・金属業種グループの上位は、自動車メーカーが並んだ。トヨタ自動車は3年連続1位と、SDGsのリーダーとして高い評価を得られ続けている。同社は「8.働きがいも、経済成長も」や、「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」、」「12.作る責任、使う責任」の各ゴールでの評価がいずれも260社中で1位となった。3位の本田技研工業は、前年の16.4点(61位)から18.5点(18位)への急上昇。その3.8点の伸びは、前年と比較できる210社の中で4番目に伸びが大きかった。
4位に高かったアイリスオーヤマは、仙台市に本社を置く生活用品メーカーで、家電メーカーを早期退職した技術者を大量販売し、家電事業を拡大している。コロナ禍では不織布マスクの販売でも注目を集めたことから、「3.すべての人に健康と福祉を」の評価は当業種グループの中では突出して高い評価となっている。「4.作る責任、使う責任」では260社中4位と、品質面でも高い評価につながっている。 5位のクボタは農機メーカーとしては国内最大手。農業を通じて食料、水、環境への貢献を大きく打ち出していることで、「15.陸の豊かさも守ろう」が4位、「安全な水とトイレを世界中に」が12位と、多くの人に評価されている。 6位以下には、ダイキン工業、ヤマハ、マツダ、三菱自動車工業、YKK、SUBARU、スズキ、デンソー、三菱重工、ダイハツ工業が上位にランクインした。自動車関連企業が多く含まれているが、260社全体でも順位は上位となっており、自動車産業のSDGsへの取り組みが、比較的多くの消費者に支持を受けているようだ。
なお、機械・金属業種グループは「あまり取り組んでいない」および「全く取り組んでいない」という否定的な評価は、全業種グループの中で最も少なかった。ただし、BtoB企業が多いせいか、「名前も知らない」との回答が多いからでもあり、必ずしも「取り組んでいる」という評価が高いと言い切れるわけではないが、業界各社について否定的なとらわれ方をされていることは少なそうだ。第3回企業版SDGs調査2022は、20歳以上の男女を対象に、2022年7月27日から30日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計26,000人の回答を集めた。不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計22,554人を集計した。調査は各社のSDGs取組の評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価、情報入手経路などについての設問を設けたほか、各社の好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲などについての質問も設け、SDGs活動による各社の企業評価への影響度を分析した。
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