65メートル×90メートルのグラウンドはこの日は週3度ある3分割での練習となった。隣ではサッカー部、その奥ではハンドボール部が練習。小さな4枚のネットで仕切るだけ。この日も何度もサッカーボールが転がってきた。端で走る陸上部は近畿大会に出場。校舎とグラウンドの間の狭いスペースで踊るダンス部も全国大会に出場。大阪の公立校で26年ぶりに秋の近畿大会に出る野球部も、知恵を絞った練習で、勝ち上がってきた。
練習時間も2時間ほど。メインとなる内野ではノックと実戦を想定した走者を置いてのバント練習。金子恭平監督(41)は「バントでもファウルで外に出ると危ない」と打撃ケージ内でバント。スクイズ練習では、同じ距離で左にズラしたもう1枚のホームベースへ三塁走者はスライディング。距離感だけは覚えられるとこの形になったという。 選手たちで練習メニューを決める。尾崎紀昭主将(2年)は「バントのサインがでない人は鳥かごで打ち込みをさせました」。大一番を前にしても、それぞれが狭いスペースと短い時間を有効に使って調整した。練習最後には控えの吉田将吾捕手(2年)が「龍谷大平安を倒すぞ!」と声を上げ、全員でダッシュ。金子監督はナインに「1%にかけるしかない。全員で勝つイメージを持って」と鼓舞した。試合前日となる16日も3分割のグラウンドで最終調整し、決戦に挑む。【石橋隆雄】◆山田高校の1週間 月曜のみグラウンドの3分の2(65メートル×60メートル)が使える。ナインは「全面練習」と呼んでいる。水曜はオフで、火、木、金は3分の1しか使えない。フリー打撃は朝練習などで校舎側に向かって竹バットで打つ。外野ノックもほかの部が使わない時に校舎側から右翼と中堅へ、グラウンド奥から左翼、中堅にノックを打って連携を覚える。ブルペンと鳥かご2カ所の部分は常に使えるため、その場所を工夫し打ち込みなどを行う。土、日は他校へ試合に出る。コロナ禍の今年はできなかったが、例年は60校と100試合以上こなしゲームの中で覚える。◆山田...
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