NCT 127としてホールツアー、アリーナツアーを経て2度のドームツアーを行い、NCTとしてはスタジアムツアーを経験している彼の、ソロとしては初となるツアーだ。NCTの中でも高いボーカルスキルを持ち、R&B、バラード、ポップナンバーと、さまざまなジャンルを巧みな歌唱力で歌いこなすだけではなく、確実に聴く人の心を動かすことのできるパフォーマンスで、満員の観客のボルテージを上げ続ける公演となった。
また、トークもほぼ日本語で進行。本公演に込めた想いや感謝の気持ちを自分の言葉で伝えたり、観客と積極的にコミュニケーションをとる場面が多々あり、中でもドヨンが呼びかけるたびに「何~?」とリアクションをする観客に、驚きながらも嬉しそうに会話を楽しむ場面が印象的だった。また、本公演はドヨンのソロデビューアルバム「YOUTH」を軸にしたセットリストで、韓国ドラマには欠かせないOST(挿入歌)のキングと称される彼の魅力あふれる挿入歌の披露、日本語のカバー曲やグループの時にはなかなか見ることのできない、NCT楽曲のラップパートの披露に続き、彼のボーカルが存分に生かされている「Back 2 U」のバンドアレンジでのパフォーマンスなど、内容が盛りだくさん。彼の持つ魅力を、多様な曲や演出を通して見せつけた。
そして、「日本のファンの皆さんだけが見ることのできるステージです」という言葉に続き披露したのは、2023年1月から3月にかけてテレビ朝日で放送された吉高由里子、北村匠海主演のドラマ「星降る夜に」の挿入歌「Cry」だった。観客とのやり取りで、「どんな日本語の曲が聴きたいですか?」と問いかけ、観客が口々に「Cry」という場面では、「ごめんなさい……」と、歌えないという様子を見せたドヨンであったが、そのあとすぐに「Cry」を披露し、観客の驚きと嬉しさが入り混じる歓声と大きな拍手が会場を包み込んだ。
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