「最初のチャンスが決まらないとなかなか流れを持って行けない。そこはうまく攻められたのかなと思います」。初日、2日目は「69」という好スコアながら、ストレスを感じる面もあったが、この日は3番パー5でピンに絡めてバーディ。これを号令に、その後もド派手にバーディ砲を撃ち続けた。
4番パー3はこの日101ヤードの設定。打ち上げ&砲台グリーンの右端にカップが切られたが、そのピンの右に乗せるスーパーベタピンショットを披露した。「少し左奥に打ってもいいかなと思ったけど、ピンのほうに行ってしまった」と思惑よりも右に飛んだが、「(前日から)ショットの修正もできた」なかで、結果は完ぺきなショット。満足感がにじんだ。芝目が強くクセのあるグリーンに苦戦した初日の「31」、2日目の「32」から、「いい距離について、決めたい距離を決められた」とパット数はこの日「24」に急上昇。「パッティングが決まってくれると、余裕をもって攻めることができる。かみ合わせがよかった」と自画自賛のラウンドに笑みもこぼれる。
連日の雨で重さもあり、傾斜、芝目が入り組むグリーンに対し、「加速度をつけて、しっかり打ち切れるようにした」と一夜で修正に成功した。面白いように決まるバーディパットのたびにうなずき、上位を追撃。マレーシア特有の芝を攻略してみせた。 首位のローズ・チャン(米国)とは4打差ながら、逆転のシナリオを描ける位置まで戻ってきた。「いいスコアが出ているので、差は気にせず。今日みたいなプレーができるように集中して」とやるべきは、自分が伸ばすことだけ。「優勝争いできるように」と臨む最終日。ついに打ち上がったロケットの加速度をマックスにし、あとはてっぺんを目指すのみだ。(文・高桑均)
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