売上高は前年同期より25%多い210億8200万ドルに増え、純利益と同様に四半期で過去最高となった。1株利益は市場予想(2.53ドル)を上回る2.56ドル(前年同期は2.38ドル)だった。
フェイスブックは16年の米大統領で個人情報が不適切に使われた問題などにより、社会的な批判を浴びた。また、若年層を中心に利用を手控える動きが広がっているとの見方もあったが、19年10~12月期の月間利用者は1年前より8%多い24億9800万人に達した。前の四半期との比較でも、北米や欧州など全地域で利用者が増えた。 利用者の拡大を追い風として、売上高の95%以上を占めるネット広告事業を伸ばした。ただ、偽コンテンツ対策の人員増強などのためにコストが増え、研究開発費などの負担も重くなっている。売上高営業利益率は42%となり、前年同期から4ポイント悪化。人工知能(AI)の活用など、監視業務の効率化が課題だ。
画像共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」などを活用した収益拡大も課題となる。こうしたアプリを加えたグループ全体のサービスの月間利用者は28億9000万人に増えた。前年同期比増加率は9%となり、フェイスブック本体の成長率の鈍化を補う戦略が成果をあげているといえる。 ただ、対話アプリなどを基盤としてネット広告に続く収益の柱をつくる戦略は道半ばだ。前提となるアプリの基盤統合では昨年12月、米連邦取引委員会(FTC)が独占を防ぐ観点から仮差し止めを検討しているとの見方が浮上した。アプリを活用した決済サービスの提供でも、デジタル通貨「リブラ」の構想は先行きが不透明になっている。
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