HMGがこの件に関する専門知識をできるかぎり収集しようとしているのも道理で、同社は自前のデータサイエンティスト体制を整備するだけでなく、学界、スタートアップ企業、プラットフォーム運営事業者とも協働している。大規模な投資を要する一大プロジェクトだ。
「我々はまだ、AI技術のROI(投資収益率)算出にあたり、公式の分子と分母にそれぞれ何をもってくるべきか決めかねている段階だ」とブレグマン氏は言う。「そもそも、AIの技術資源でコストが安いものはない。たとえばデータサイエンティストにも多額の人件費がかかるが、当社所属のデータサイエンティストたちは最近、手一杯だ」。HMGも、ほかのエージェンシーも、AIを基盤とした事業の再構築をめざしているが、その計画をどの程度のスピードで推進すべきかの判断は難しい。HMGのような大手エージェンシーの場合、AIによる改革を急激に進めようとすると、組織体制と事業運営への影響が大きく、混乱を招くおそれがある。しかし行動を起こすのが遅すぎると、AI導入により業務効率と適応力の向上に成功した他社に先を越されるだろう。
「自社全体で総力をあげてこの改革に取り組み、短期間で達成する方法を考えたい。皆とともに歩む旅路の始まりだ」とブレグマン氏は語る。「グループ傘下のエージェンシーはそれぞれ毛色の違うチームを抱えているから、会社間の連携いかんで成果を上げられる。データを中核に据えたAI構想により、組織のあり方が根本的に変わるだろう」。 経営者の頭を悩ませるに値する、大きな構想になりそうだが、データサイエンスの専門家集団がグループ全従業員の4分の1にすぎないHMGのような組織であればなおさらだ。HMGは、専門家が有するデータ関連の知見を早期に業務プロセス全体に展開するか、あるいは専門家チームを拡大するか、いずれかの策を講じる必要があるだろう。AIを利用すべきか否か迷っている段階ではないHMGがAIで飛躍するための時間の猶予はまだある。いまは経験豊富なマーケターでさえ、AIがエージェンシーの存続に及ぼす影響について、自分の知識不足を自覚するレベルにも達していない。商談中のプレゼンでAIが取り上げられることもないが、将来的には売り込みのチャンスが訪れるだろう。そのときに対応できるよう備えておきたいと、同氏は考えている。
「AIは、広告クリエイティブのメッセージ作成に活用できるパートナーとみなされるべきだ」と、検索エンジン関連サービス専門エージェンシーであるザ ホス(The HOTH)のマーク・ハードグローブCEOは主張する。「ただし、自社のチームにとって最適なAIソリューションを見極めるには、多少の実践経験が必要だ。いまはもう、AIを利用すべきか否か迷っている段階ではない。AIは、バズワードとして注目される以前から技術革新を続けており、業界では皆、何年も前からAIツールを利用している」。
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