揃って起訴事実を認めた夫婦はともに保釈されており、ゆき乃被告は紺色のカーディガンに白いブラウス、タイトスカートを穿き、ロングの黒髪を後ろでひとつに束ねていた。優力被告は短髪にスーツ。日に焼けた肌に白いマスクが目立つ。冒頭陳述や争いのない証拠によれば、Aさんは2018年にゆき乃被告と動画配信アプリを介して知り合った。この年、Aさんは当時結婚していた夫との間に長男を出産したが、婚姻関係が悪化。住むところを失いそうなところ、ゆき乃被告からの誘いを受け、同年11月ごろ、板橋のマンションに長男とともにやってきたのだという。ゆき乃・優力被告の間にも小学生の子供がおり、マンションでの5人暮らしが始まった。
居候開始当初、Aさんの元夫が生活費として嵩原家に月3万円を渡していたが、離婚後はAさんがキャバクラで働き、生活費とベビーシッター代の名目で、月10万円を夫婦に渡していた。しかし、ある日、キャバクラからの帰宅が遅れたAさんに対して、ゆき乃被告が激高。以降、両被告のAさんへの態度が一変したという。そしてここから、稼いだ金を全て搾り取られる地獄の日々が本格化した。
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