長らく「不治の病」として恐れられ、治療法、予防法などが研究されてきた「がん」。その最新の成果によると、がんは化学物質や喫煙、放射線などの外的要因による直接作用で生じるものではなく、生まれてから成長の過程で不可避的に起こるエラーが積み重なり、体内で「進化」したものなのだという。本書では、世界のがん研究の歴史に触れながら、人ががんを患う理由、体内でがん細胞がどのようなメカニズムで「進化」していくのか、治療法や「がんとの付き合い方」などについて、数々の研究・実験などのエビデンスをもとに詳細に解説している。
がんの進行は自然界の生物進化の縮図であり、がん細胞は体内の環境に適応して突然変異を繰り返すことで、その勢力を広げ、転移していく。そのため、治療にあたっては体内のがん細胞の勢力をコントロールする「適応療法」が有効であることがわかってきている。
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