クマ研はヒグマの生態に興味を抱いた北大の大学院生と学生が70年に設立した。現在25人が所属し、天塩研究林のほか、大雪山系でクマの観察、調査を行っている。大学の非公認サークルながら、多くの卒業生が全国の研究機関や行政機関に就職し、野生動物研究や保護管理対策の現場で活躍している。
天塩研究林での調査は75年に始まり、天塩川支流の問寒別(といかんべつ)川に流れ込む沢沿いを中心に設定した28のルートを歩いてヒグマの痕跡を探す。ふんや足跡、爪痕、食痕に加え、立ち木に背中をこすり付けて匂いを付ける「背こすり」の痕跡を調べることで、林内に生息するクマの数や性別、年代、餌などを分析している。 今年は8月13~26日の日程で、研究林内の大学施設に寝泊まりしながら調査を行った。新型コロナウイルス対策で施設に寝泊まりする人数が制限されているため、1日の行程で参加したのは最大6人。途中で何度かメンバーを入れ替え、総勢10人が参加する調査となった。 「明日の調査は3班に分かれて行います」。開始日前日の12日夜、今回の調査隊長を務める法学部2年山本大河さん(20)が本人の希望や経験、天候などを考慮しての班分けを発表した。記者が同行したのは研究林東部の冷水沢川を巡る班だ。参加したのは農学部森林科学科4年葉山翔太さん(22)と同学部畜産科学科2年大石智美さん(19)の2人。班長はクマ研が班を率いる技量があると認定した「リーダー」の資格を持つ葉山さんが務めた。「ポイポーイ」「ポイポーイ」。先頭を歩く葉山さんが大声を上げると、大石さんも声を張り上げた。長年、クマ研が踏査する際、クマに自分の存在を知らせ、不意な遭遇を防ぐ伝統の声出しだ。なぜ「ポイポーイ」なのかは謎だが、ヒグマが多くすむ森の中を歩く調査を続けながら70年の創立以来一度もクマに襲われる被害は起きていない。トウガラシの辛み成分を噴射するヒグマ撃退スプレーは1人1本腰にぶら下げるが、クマよけに効果がある鈴は携帯しない。葉山さんは「鈴は絶えず音がして、周囲の物音が聞こえにくくなるから」と教えてくれた。
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