子どものもっとも近くにいる大人である教師は、子どもから見たあこがれの仕事であり続けています。第一生命保険が毎年実施している「大人になったらなりたいもの」を聞く２０２１年の調査で、「教師／教員」は中学生の男子５位、女子７位、小学生では女子の８位（男子では１０位以下）ですが、高校生になると男子４位、女子５位に浮上します。年齢が高くなるほど、現実的な選択として、「教師／教員」は魅力的な仕事として映るようです。小学校の採用倍率は過去最低の２・５倍にとどまりました。中学校の採用倍率も４・７倍と低水準でした。小、中学校ともに倍率は１９９９年度実施時がピーク（小学校１２・５倍、中学校１７・９倍）で、近年は受験者数の減少、採用倍率の低下が進む傾向にあります。直近の２０２１年度は受験者数が４１８９人で、倍率は３・６倍にとどまりました。受験者数は７年連続の減少でした。北海道教育委員会（道教委）教職員課は「受験者をどう増やすかは大きな課題。大学生向けのガイダンスを実施したり、試験会場を増やしたりなどして対応しており、なんとか歯止めをかけたい」としています。
文科省は、「２０００年度以降の採用倍率の低下については、団塊世代の大量退職に伴い、採用者数が増えたことが倍率低下の主な要因」と説明しています。ただ、全国でも２０１０年代になると、倍率だけでなく、受験者数減が明白です。教育現場からは、長時間労働の常態化など、職場環境のブラックなイメージの強まりで、「教師を志望する若者の人数が減っていることがそもそもの要因」との声も上がります。■中学校で半数以上の教師が「過労死ライン」超え
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