明確な違いは、商品裏側の食品表示にあった。常温品では数日しかない消費期限が、冷凍品では消費期限の表示はなく、賞味期限のみ3カ月以上先に設定されている。保存方法は「マイナス18度以下」と記されていた。「赤飯おこわ」のおにぎりは、レンジで温めた冷凍のほうが、もち米のもちもち感が舌に伝わる。同じように比較して食べた中学1年の息子は「冷凍おにぎりのほうが、より赤飯の風味がしておいしい」と冷凍品を好んで食べていた。
ご飯にのりが巻かれた「焼さけ」はこの日、冷凍品しか売っていなかったので、常温品との比較はできなかった。レンジで温めてしっとりしたのりに、温かい食感のご飯がからみ、さけもほんのりと温かくておいしい。のりの風味も感じた。 ローソンによると、販売期間は8月22日〜11月20日の約3カ月間で、焼さけ、赤飯おこわ、五目おこわ、鶏五目、胡麻さけ、わかめごはんの計6種類。常温品と製造ラインは異なるものの、材料や作り方はほぼ一緒だ。冷凍品は製造直後に、高湿度の冷気を冷凍庫内に循環させる専門の機械でおにぎりを均一に冷凍。風味が落ちない状態で凍らせて店舗に運ぶ。実験の主な狙いは食品ロスの削減だという。ローソンでは、おにぎりを含めた食品について、1店舗当たり1日平均で推計5・2キロが廃棄されている。冷凍おにぎりが普及すれば、賞味期限の管理もしやすくなり、廃棄ロスが減る可能性がある。消費期限がなく、賞味期限も長い冷凍品へのシフトが進めば、おにぎりは毎日配送する必要がなくなり、ドライバーの負担や輸送燃料の削減につながる。同社は今後、実験販売の結果を見て冷凍品を拡大していくという。
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