9ヶ月連続国内販売台数トップとなっていたホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」。しかしながら、2024年5月の販売数ではスズキ「スペーシア」にその座を明け渡してしまった。「絶対王者」の安定感があったN-BOXに暗雲が立ちこめている。

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9ヶ月連続国内販売台数トップとなっていたホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」。しかしながら、2024年5月の販売数ではスズキ「スペーシア」にその座を明け渡してしまった。「絶対王者」の安定感があったN-BOXに暗雲が立ちこめている。

翌月である2024年1月からはさらに雲行きが怪しくなる。この月の販売台数は1万7446台で、これは前年比で12%減。その後2月は1万6542台(16%減)、3月は2万360台(27%減)、4月は1万4947台(前年とほぼ同じ)という結果。しかも2024年初頭は、不正問題で初売りを自粛したダイハツからユーザーを獲得できるチャンスでもあった。そのチャンスには、N-BOXと同時期にフルモデルチェンジしたスペーシアが順調に販売台数を伸ばし、冒頭で触れたように5月には1万5160台を販売し、トップの座を獲得。スペーシアの前年同月の販売台数は7901台であり、今回91%アップを達成したことになる。N-BOXは、軽スーパーハイトワゴンならではの広い室内や使いやすいラゲッジスペース、シートアレンジの豊富さなどが魅力のモデル。これらは、新型でももちろん継承され、子供の乗り降りのしやすさなど細やかで配慮の行き届いた使いやすさが実感できる。

ただ、それだけに、大きく変えることは難しかったと思う。もちろん細かなブラッシュアップはなされているものの、いま評価されている魅力をそぐようなことはできず、デザインも、あまりにも大きく変化させるようなことはその後の人気を左右してしまうため、無難なデザインに落ち着いてしまう。N-BOXの公式ホームページでも、「新旧モデル比較」という別ページが設けられ、どこが変わったのか写真付きで解説されているぐらいだ。 一番のネックは価格だ。新型の価格は標準タイプが164万8900円〜196万5000円、カスタムが184万9100円〜236万2800円。先代は標準タイプが146万8500円〜206万2500円(先代は標準にターボがあったため、価格が高め)、カスタムが182万4900円〜228万8000円だったため、エントリーグレードだと18万円のアップと、随分価格が上がった印象をうけてしまう。ライバルの新型スペーシアカスタムは、派手なメッキグリルや鋭く細めのヘッドライトを採用しており、ずっとスタイリッシュで、先代N-BOXカスタムのような意匠に近づいたように感じる。カスタムには、あのくらいのギラギラ感がほしいところであり、この新型スペーシアカスタムのデザインは、間違いなくスペーシアの売り上げ上昇に貢献しているだろう。

 

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