11年前、鳥取県米子市のホテルで支配人を襲って現金を奪ったなどとして、強盗殺人の罪に問われた元従業員に対するやり直しの裁判で、鳥取地方裁判所は「元従業員が犯人だと強く推認される」と指摘し、検察の求刑どおり無期懲役の判決を言い渡しました。米子市のホテルの元従業員、石田美実被告（63）は、平成21年9月、勤務していたホテルの事務所で支配人の松尾充晃さん（当時54）に暴行を加えて死亡させ、現金26万円余りを奪ったとして強盗殺人の罪に問われたのに対し無罪を主張しました。
1審は懲役18年を言い渡し、2審は「犯人だという証明は十分ではない」として無罪を言い渡しましたが、おととし、最高裁判所は「状況証拠によって認められる事実が総合的に検討されていない」として、無罪を取り消して審理をやり直すよう命じました。 その後、鳥取地方裁判所でやり直しの裁判員裁判が行われ、30日の判決で、荒木未佳裁判長は「被告は、盗まれた金額に近い大量の千円札230枚を持っていたことや、事件後に逃走と考えられる行動をとったことなどから犯人だと強く推認される」と指摘しました。
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