アメリカ演劇を代表するテネシー・ウィリアムズの名作『欲望という名の電車』は、1947年にブロードウェイで初演、ブロードウェイ3大賞を同時受賞。1951年にはヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドで映画化されアカデミー賞を受賞。映画史に残る名作となった。そして、`24年2月、鄭義信演出「欲望という名の電車」が上演。マイノリティ社会の中にある“希望”を描き続けてきた鄭は「欲望という名の電車」をいかに演出するのかー。
そのほか、ステラの大家ユーニス役に青木さやか、ユーニスの夫のスティーブ役に福田転球、スタンリーのポーカー仲間でもあるパブロ役に中村まこと、医師役に久保酎吉、看護師役にうらじぬの、コワルスキー家にやってくる集金人の若者役に青木瞭が出演する。アメリカ南部、ニューオーリンズ。「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という電車に乗り換えて、「天国」と呼ばれる猥雑な下町に降り立ったブランチ・デュボアは、妹のステラ・コワルスキーを訪ねる。 ポーランド系労働者である義弟の野蛮な言動を嫌悪するブランチと、彼女の上流階級然とした振る舞いに我慢がならないスタンリー。二人の軋轢が高まるなか、ブランチはスタンリーの友人ハロルド・ミッチェル(ミッチ)との出会いに最後の幸福をつかもうとする。しかし愛は非情な終わりを迎え、ブランチの精神は壊れてゆく。ついに手を出してしまった!大名作である!テネシー・ウィリアムズである!「欲望という名の電車」である!これまで、数々の名演出家が挑んできた。僕のようなものが、しゃしゃり出てくる作品ではないのだ。それでも、冒頭のブランチの「「欲望」という名の電車に乗って、「墓場」という電車に乗り換えて、六つ目の角で降りるように言われたんだけど……そこが、「天国」だよって」という台詞に、心がグラグラしてしまう。磁石のように惹きつけられてしまう。そして、最後の台詞も……。
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