鹿島アントラーズがアウェーのセレッソ大阪戦に1-0で競り勝ち、今季初の首位に立った。前半6分にCKからDF犬飼智也(26)が頭で先制。
圧倒的に攻め込んだのはC大阪だが、鹿島が組織立った守備で1点を守りきった。過密日程でMF三竿健斗(23)ら主力にケガ人が続出する中、17年11月以来の首位に浮上。7戦無敗としルヴァン杯、天皇杯を含めた今季3冠へ前進した。東京は2位に転落。鹿島がついに東京から首位を奪い取った。前半6分にDF犬飼が挙げた先制点を守り抜く、渋く、らしい勝利。大岩監督は「目的の勝ち点3を取るをしっかりできた。ボールを支配される時間は長かったが、CBを中心に相手の良さを消して0に抑えたのは評価したい」と冷静に振り返った。 圧倒的に攻められた。DFラインの裏をとられ、何度もひやりの場面があった。しかし、ゴールは割らせない。シュート数は5-9でも結果は1-0。攻守に奮闘した犬飼は、4月20日仙台戦以来の今季2点目にも「90分近く1点を守る時間。チーム全体で我慢した結果だと思う」。先制点をアシストしたU-22日本代表DFの町田も「最初から簡単なゲームとは思っていなかった。一丸で勝てたのがよかった」と言った。
崩れない強さを見せつけた。中盤に負傷、離脱者が続出の緊急事態。三竿、レオシルバに加え、C大阪戦に出場予定だった小泉も体調不良で急きょ回避。それでも出場した中村が、きっちり代役を果たすのが常勝の伝統に培われた「クラブ力」。指揮官は「試合がたくさんあるから、それぞれの選手が準備している」。犬飼も「勝つためにみんなで助け合い、苦しいゲームをものにできたのは自信になる」と胸を張った。 2季ぶりの首位浮上。2年前は最終節で川崎Fに逆転された苦い思いがある。MF土居は「首位に立ったんで、ここからは自分たち次第。勝ち続ければ追いつけない。3つとりにいく意思統一はできている。1つも落としたくない」。ルヴァン杯は4強、天皇杯は8強に残る。3季ぶりのJ1制覇だけではなく、00年度以来となる3冠の夢が広がった。【実藤健一】
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