１９日公示、３１日投開票の衆院選に向け、九州・山口の各地でも前哨戦が繰り広げられている。南北約５００キロと国内有数の広さを有する鹿児島２区は、自民前職と、無所属新人の元鹿児島県知事、野党共闘の共産新人の３氏が立候補を予定し、三つどもえの構図。早くも激しいつばぜり合いが展開されている。鹿児島２区は鹿児島市の一部を含む鹿児島県薩摩半島南部や奄美群島で構成される。平成２６年の衆院補選以来、同年、２９年の衆院選で自民現職、金子万寿夫氏（７４）が３連勝した。固い保守地盤を背景に、無風とみられた選挙戦だったが、令和２年７月の鹿児島県知事選以降、状況が変わった。
台風の目となるのは、知事選で自民などの推薦を受けて落選した元知事の三反園訓氏（６３）だ。選挙後、出身地の指宿市など同区内で辻立ちを繰り返し、今年６月に「政策論争を重ね、自民党支持者の方々に支持してもらえるよう努力したい」と立候補を表明。「保守系候補」として金子氏に挑戦状をつきつけた。三反園氏は４年間の県政で奄美群島を計２７回訪問した。知事選落選後の約１年間でも１０回以上は訪れ、メモを片手に直接対話を重ねてきた。陣営関係者は「三反園氏は知事時代『鹿児島にとって奄美は大きな財産だ』と語っていた」と奄美群島への思いを強調する。 奄美市の歓楽街、屋仁川通りで飲食店を営む男性は「投票先を考える際、島の出身かそうではないかはもはや問題にならない。いかに島のために働いたかどうかだ」と話す。また、別の自営業者の男性も「三反園氏には知事時代、奄美振興に多くの新たな予算を付けた実績がある。これまでの県政では実現されなかったことだ」と評価する。
浸透を裏付けるデータもある。伊藤祐一郎元知事との一騎打ちだった平成２８年と、過去最多の７氏が乱立した昨年の知事選での三反園氏の得票率を比較すると、奄美群島１市１１町村では、微減だった奄美市と伊仙町を除く１０町村で２・６～２８・５ポイント増加した。また、昨年の知事選は投票率が平成２８年から約７ポイント低下し、投票総数も約１１万１千票減ったにも関わらず奄美群島の合計で三反園氏は１８０票を上積みしていた。 三反園県政は、九州電力川内原子力発電所（鹿児島県薩摩川内市）の稼働問題をはじめ、二転三転した言動などが批判を浴びた。ただ、三反園氏は落選後、周囲に「（反原発派との政策協定などは）やりすぎだった。必要ないことだったかもしれない」との自省の念を語った。また、有権者との対話の際にもエネルギー問題など県政時代の話題はあまり上がっていないといい、陣営関係者は「今回は三反園氏にとって再度の信任投票だ」と訴える。
元々知事一期目は野党候補でなかった？本人の経歴的にも立憲の方がしっくり来ると思うのは偏見かしら？
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