新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、新たに10人の感染が確認された。既に下船した香港人男性を除いて計20人。国内での感染確認は計45人に達した。中国を除く世界では27の国・地域で計272人に上るが、日本は中国に次いで多い。乗員乗客約3700人は最長2週間の船内待機を求められ、船は6日朝、物資補給のために横浜港に接岸。自衛隊も派遣されるが、感染者はさらに増える恐れがある。
厚労省によると、クルーズ船で新たに感染判明したのは50～70代の乗客。日本人は60～70代の男女4人で、他6人は米国2人、カナダ2人、ニュージーランドと台湾が各1人。全員が入院した。厚労省は、症状のある人など計273人から検体を採取。これまでに102人の結果が判明し、82人が陰性だった。 船は6日朝、食料や薬などの物資補給のため横浜港に着岸した。乗客らには基本的には個室での滞在、マスクの着用などを求めているが、強制力はない。最終日は19日の見通し。自衛隊員40人も投入され、80人まで拡大する方針。乗客の個室への配膳や生活物資の運搬を想定。医官5人も派遣し、持病などの相談に当たる。 乗客に感染の疑いが確認された香港発のクルーズ船「ウエステルダム」は近く沖縄県・石垣港に到着予定だったが、キャンセル。政府は乗船している外国人の入国を拒否した。効力発生は7日午前0時。同船には日本人数人が乗っている。政府は香港に戻るよう要請し、邦人は香港から空路で帰国を促す方針。政府関係者が6日夜、明らかにした。香港でも乗客乗員約3600人のまた別のクルーズ船で感染者が出て検疫中。日本人が数人乗っているが体調に異常はないという。
中国湖北省武漢市への政府チャーター機第4便は、今日7日午前に羽田空港に帰国する予定になった。搭乗予定者は200人台。これまで3便で帰国した計565人は全員日本国籍だったが、今回は中国側が中国籍の配偶者らの搭乗を認める見通し。日本感染症学会などは「既に国内にウイルスが入り、街の中で散発的な流行が起きていてもおかしくない」との見解をまとめた。一方、国立国際医療研究センターは6日、抗エイズウイルス（HIV）薬を患者1人に投与した後症状に改善傾向がみられたとした。
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