4点を先制された直後の初回。即座に反撃の急先鋒となった。相手先発・ジャクソンに2球で追い込まれながらも、1球ファウルを挟んだ4球目、低めのチェンジアップを振り抜いた。痛烈なライナー性の打球は、右翼・度会にダイビングキャッチを許さない。抜けたのを確認すると、二塁ベース手前からさらに加速。スライディングすることなく、一気に三塁を陥れた。
持ち味の俊足巧打を発揮し、昨季セ・リーグでは8人目、8度目となったシーズン12三塁打を放ってリーグトップに君臨した“ミスター三塁打”。今季はその昨季より2試合早く“1号”を放った。続く中野の中前適時打をお膳立てし、反撃のノロシとなる1点をスコアボードに記した。 1本では、終わらない。3点ビハインドの8回にも先頭打者として存在感を発揮。3番手・ウェンデルケンの初球、145キロ直球を完璧に捉えて右翼フェンス直撃の二塁打とした。1死三塁から森下の三ゴロの間に3点目の生還。開幕直前に疲労蓄積のためラスト2試合のオープン戦を欠場したが、この日のスタンドを埋め尽くした虎党の不安を振り払うかのように、ホーム開幕となった一戦で2本の長打を放ち、全3得点のうち2得点を記録した。
それでも近本は自身の結果だけでは満足しない。4点ビハインドで迎えた5回2死二、三塁の場面でフルカウントからの7球目、ナックルカーブで空振り三振に倒れたことを猛省。「一番(反省すべきところ)はそこかなと思いますね。1点でも2点でも取っていたら…じゃないですけど。自分のやるべきことはしっかりしていきたい」。次戦につながる本領発揮と言えた。
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