国立研究開発法人「国立がん研究センター東病院」(千葉県)を巡る贈収賄事件で、贈賄側の医療機器メーカー「ゼオンメディカル」(東京都千代田区)社内で機器使用の見返りの医師への資金提供が常態化していた疑いがあることが23日、分かった。資金提供は市販後調査(PMS)の報酬名目で行われていたが、社内では「みなしPMS」と呼ばれ、調査の実態がなく不正な資金提供であると認識されていたとみられるという。
警視庁捜査2課によると、収賄容疑で逮捕された東病院の元肝胆膵内科医長、橋本裕輔容疑者(47)とゼオン社との間には、同社のステントを1つ使用するごとに1万円が支払われる契約が結ばれていた。ステントの有効性などの情報をゼオン社にフィードバックするPMS名目で報酬が支払われる仕組みだったが、捜査2課は調査実態はなかったとみている。 一方で、捜査関係者によると、ゼオン社内では契約を「みなしPMS」と呼び、調査が形骸化していたことが認識されていたという。こうした資金提供手法は営業担当者らの発案で、贈賄容疑で逮捕された当時社長の柳田昇容疑者(67)も営業成績をあげるため賄賂の支払いを承認していたとみられる。
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