本書は、概念だけが語られて、結局、読者が最も知りたい「頭がよくなる方法」については何ひとつ触れられずに終わるような物足りなさとは無縁だ。前半では、身近な例を取り上げながら、頭のよさの本質を多角的に捉えている。そして後半では、今すぐ誰にでも実践できる「頭をよくする方法」を紹介している。教育関連のビジネスを手掛ける著者の谷川氏は、日本一「頭がよい」と言われる東京大学の出身。塾には一切通わず、高校3年生の秋から始めた受験勉強だけで現役合格を果たした。
そう聞けば、さぞかし生まれつき頭がよいのだろうと思ってしまう。当の谷川氏も「人それぞれ頭のよさは違う」と、頭のよさに個人差があることを否定しない。しかし、その上で、頭のよさの個人差をタブー視する態度こそ、頭のよさは生まれつきであり、変えることができないと決めてかかっている考え方ではないかと疑義を呈する。そうではなく、「頭のよさ」というのは、考え方や思考方法の違いにすぎないのだと谷川氏は主張する。本のタイトルどおり、頭はよくなるのである。もし、よくなりたいと願うならば。学校のテストの点数が高い人こそ頭がよいと考える人もいれば、飲み込みが早い人や知識量の多い人を頭がよい人とする場合もある。あるいは、自分の頭で考えることのできる人、頭の回転が速い人、論理的な人、応用力がある人が頭がよい人である、といった回答もあるだろう。
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ソース: Newsweek_JAPAN - 🏆 131. / 51 続きを読む »