ものづくりと体験型の観光を組み合わせた「クラフトツーリズム」が全国各地に拡大してきた。創業100年を超える老舗鋳物会社、能作(富山県高岡市)の能作千春社長は、クラフトツーリズムに力を入れる理由をこう話す。
工場建設当時、売上高は13億円だったが、ファンづくりが進み、売上高は21億円まで伸びている。社員は約200人に増加した。クラフトツーリズムに取り組むきっかけとなった思いは今も引き継がれており、工場を見た地元の子供に「将来、働きたい」と思ってもらうことも目指している。同時に、地元の高岡市を含む富山県西部6市のDMO(観光地経営組織)と連携し、地域の観光振興にも取り組む。本社工場では社員が薦める周辺の飲食店などを紹介する独自の「観光カード」を用意している。地域経済に詳しい、東洋大学の中村郁博教授は「消費者が現場を知ることで製品に対する情緒価値が生まれる。工場は消費者の反応を直接確認することで新たなニーズを発掘できる。また地域で取り組むことでお互いの技術を知り、新たな複合的なものづくりの可能性が広がる」と説明する。長崎県波佐見町では2月、波佐見焼の窯元など10の事業者の製造現場を見て回るクラフトツーリズムのイベント「波佐見焼の舞台裏」が開催された。波佐見焼は分業の生産体制を取っており、参加者は焼き物の型づくり、器の基本となる生地づくりなどの工程をじっくり見て回った。波佐見の窯業の歴史の始まり
製造現場の公開は特定の日に行う会社が多いが、常時受け入れる会社もある。西海陶器の傘下の窯元もその1社で、窯元の敷地では宿泊施設の建設も進める。「焼き物はろくろでつくるイメージを持つ人が多いが、波佐見焼では産業的なつくり方の中に手作業が入っている」(小林氏)。見学者からは「本当の焼き物のつくられている姿が分かった」「通常では見られないところを見学できた」と言われることが多いという。周辺には製陶工場の跡地に雑貨店、カフェなどを集めた施設もあり、研究者の調査では、他の産地に比べると若者客の訪問比率が高い。クラフトツーリズムを原動力の1つにしながら、ブランドを持たなかった産地が人気エリアに生まれ変わっている。眼鏡の産地として知られる福井県鯖江市。フレームメーカーだけでなく、部品メーカー、加工会社、製造機械や道具をつくる事業者なども立地。同市周辺を含むエリア全体が「大きな眼鏡工場」となっており、国内の眼鏡フレーム製造の95%をこのエリアが占める。
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