JRAの騎手で6日の落馬事故により10日逝去した藤岡康太さん(享年35)の日本中央競馬会と日本騎手クラブによる合同葬が15日、滋賀県の栗東トレーニングセンター内で営まれた。数多くの騎手、調教師、馬主ら関係者約1000人が詰めかけ、故人に別れを告げた。
深い悲しみに包まれた。祭壇中央には笑顔の藤岡康太さんの遺影。昨年11月にナミュールを勝利に導いたマイルCS、デビュー時に栗東トレセン内で撮影された父との写真がサイドに添えられた。東西から騎手、調教師、馬主ら競馬関係者約1000人が集まり、故人との別れを惜しんだ。喪主で父の藤岡健一調教師はあいさつに立ち「康太は4月10日、35歳という短い生涯に別れを告げて、天国に旅立っていきました。夢だった騎手になり、こんなにたくさんの友達やたくさんの方に応援してもらい、大きなレースを勝たせてもらい、本当に幸せな人生だったのかなと思います」と声を振り絞った。 志半ばだった。昨年はキャリアハイとなるJRA年間63勝を挙げた。私生活でも昨年6月に第1子が誕生。“さあ、これから”という時だった。健一師は「騎手になっていなければ康太の妻、息子に出会えなかった。調教や競馬が終わればまっすぐ家に帰って面倒をみるいい父親になった。笑顔を絶やさない、皆に愛される自慢の息子でした」と気丈に話した。
栗東トレセン事務所内には献花台、記帳台が設置された。たくさんのファンが最後の別れに足を運んだ。健一師は「ファンの皆さまに一つお願いがあります。競馬は、人に感動やたくさんの夢や、たくさんの笑顔を与えてくれる素晴らしいスポーツ。康太が大好きだった馬、康太が大好きだった競馬。生まれ変わっても騎手になりたいと言った競馬をみんなで応援していただければ」と競馬愛を乗せた。戒名は「天翔院駿温康輝居士」。今週も、来週も、ずっと競馬は続いていく。藤岡康太さんの思いを深く胸に刻んで、前へと進んでいく。
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