4打差14位から出た自称「ゴルフ界のアイドル」こと菅沼菜々(24=あいおいニッセイ同和損保)が6バーディー、1ボギーでこの日ベストの67をマークし、通算6アンダーの単独首位に立った。昨年10月のマスターズGCレディースに続くツアー通算3勝目、メジャー初制覇を狙う。1打差の2位には初優勝を目指す佐久間朱莉(21=大東建託)ら3選手が並んだ。
1万人を超える大ギャラリーが詰めかけた茨城GCで、主役を張ったのは自称アイドルゴルファーの菅沼だった。スタンド席がぎっしりと埋まった最終18番グリーンで8メートルを沈めてバーディーで締め、ドッと湧いた歓声に満面のスマイルを披露。今季初の60台となる67の猛チャージで、単独トップの座に躍り出た。5番で今大会初のボギーが先行も逆にスイッチが入る。7番で5メートルに寄せた一打を皮切りに、ここから6バーディーを奪ってこの日ベストスコアを叩き出した。メジャーセッティングの高速グリーンが「得意」と27パット。復調したショットとかみ合った。 前週までどん底にいた。オフに右膝を負傷し、約2週間クラブが握れなかった。その影響で知らぬうちにスイングが崩れ、ショットが大不調に陥る。ここ4年は2戦連続予選落ちすらなかった24歳が、4戦連続を含む8戦中6度の予選落ち。「ずっと泣いていた」と会場に来ると涙がこぼれた。心ない言葉も耳に入る。ファンを大切にする菅沼がSNSのコメント欄を閉鎖するほど傷ついた。
懸命に糸口を探す中、22日に練習場で球を打っていると思いついた。「あれ、膝じゃない?」。下半身に重心を乗せ、スイング時に右膝で粘る意識を持つことで感覚が戻った。昨季2勝を挙げた実力者。まだ「60%」と言う状態でも、優勝争いの舞台に戻ってきた。週末の戦いへ「たくさんの方に来ていただいた方が燃えるし、凄く楽しみ」。メジャーの大舞台で誰よりも輝いてみせる。
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