巧みな大阪弁を駆使し、ユーモアと人間観察に富んだ作品で知られた、芥川賞作家で文化勲章受章者の田辺聖子(たなべ・せいこ)さんが6日午後1時28分、総胆管結石による胆管炎のため、神戸市内の病院で死去した。91歳だった。大阪市出身。兵庫県伊丹市在住。葬儀・告別式は親族で行った。喪主は弟の聰(あきら)氏。後日、東京と大阪でお別れの会を開く予定。
樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)国文科在学中に、小説の習作を始めた。卒業後、会社勤めをしながら大阪文学学校で小説を学び、本格的に作家を志した。昭和33年、懸賞小説に入選した長編「花狩」が刊行され、文壇デビュー。ラジオドラマのシナリオ作家としても活躍し、39年には、「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」で関西在住の女性作家として初めて芥川賞を受けた。 軽妙な大阪弁を使って男女の心の機微を描いた恋愛、独身女性の生活スタイルや切なさなど、風俗小説の秀作を次々と発表。現代小説だけでなく「源氏物語」や「落窪物語」の口語訳に取り組むなど古典文学の紹介に力を注ぐ一方、自ら源氏物語などの講演会や朗読会を長年にわたって続け、多くのファンを獲得した。与謝野晶子、樋口一葉ら、文学世界を生きた女性たちを題材に取った評伝・伝記小説の分野でも独自の境地を開いた。
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