自分の夢すらも“正解っぽいもの”を探そうとする人々 組織と働く人の間で起きている、すれ違いの要因

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生活環境や労働環境は悪くなくても、働く人々のメンタルケア問題は増加。個人と組織の間に生まれている「違和感」は何なのか。 編集工学研究所 代表取締役社長の安藤昭子氏が、個人と組織の間で起きているすれ違いの背景を語りました。 才能をひらく編集工学 tsubo92

:本題に入る前に、「目標」というものについて少しすり合わせをする必要がありそうです。ここで言われている「目標管理」はドラッカーから来ているものだと思いますが、どんなふうに定義されているのでしょうか?:ドラッカーは、1950年代の社会の変化の中で、アメリカで生まれたGEやGMなどの大企業と出会います。そこで大勢の人がうまく働くための方法として「マネジメント」を発明しました。その時に働く人を方向づけるための哲学としてMBO(目標管理)を提唱したのです。:なるほど。編集工学の観点からすると、おそらくそこを一度アンラーンしないと先に進めないかなと思います。まず最初に、私たち編集工学研究所についてお話しすると、「生命に学ぶ・歴史を展く・文化と遊ぶ」という、創業以来のスローガンがあるんですね。この宇宙に情報としての生命が誕生して以来、さまざまな編集の営みの果てに、今こうしてたまたま人間が存在している。そういう私たちは常に情報に囲まれていて、情報を編集しながら生きている。自分の可能性や才能を内発的に引き出すにも、必ず編集という営みが介在しているというのが、基本的な編集工学の考え方です。

編集工学の世界観から見ると、大企業におけるマネジメントといった手段は、人間にとってはあくまで後発的に生じたものです。近代以降、企業の目的を達成するために人々が動き、企業はそれを管理する、という世界観が、先進国社会の大部分の風景になってきたと思います。 でも、人類や生命の歴史から見れば、たかだかここ100年程度のごく最近の世界観にすぎません。ユルゲン・ハーバーマスというドイツの哲学者は、「システムによる生活世界の植民地化」という問題を指摘しています。市場や資本主義というシステムが作られたことで、人間が労働機能になり、本来人が持っている文化的生活がシステムの植民地状態になっているという話です。人間を“労働者という機能”として扱ってきた、近代のシステム

:まさしくそこだなと思います。そもそも大企業自体が目的を持っていると捉えられるかどうかという話もありますが、「個人と企業が求めているものが、いかに握手できるか」。その握手こそが目標である、ということがMBOの肝だと思っています。私も人事の方々とたまにお話しする際に、従業員のメンタルケアが大変だというお話をお聞きすることがあります。生活環境は整っているし、必ずしも労働環境が悪いわけでもないけれど、年々病む人が増えていく。これは、1つには目標との握手がうまくいっていない状況だと思うんです。近代のシステムが、人間を“労働者という機能”として扱おうとしていることに、無意識的にでも違和感を覚える人が想像以上に多くいるのかもしれないし、その機能を自分ごととして実感しにくい方向にシステム自体が進んでしまっているのかもしれない。

 

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