目につくのは、動物にまつわる言い回しだ。脱兎のごとく逃げる姿をイメージしたかのような、施設内からの脱走を示す「ウサギ」。手紙を秘密裏に回すのを表すのは「ハトを飛ばす」という。私語を意味する「アゴ」など、体の一部で表現するものもある。
懲役を課された受刑者が刑務所内でどの作業をするかを指定する「配役(はいえき)」といった、ある程度内容が想像できる言葉もあるが、食事用の器を表す「物相(もっそう)」に至っては、語源や由来はおろか、何のために隠語を使うのか、よく分からない。このため、会話内容を把握するため受刑者の会話に耳をそばだてていた刑務官らにも自然と隠語が浸透し、使われるようになったようだ。「さん」付けもこれまで、刑務官は受刑者の名字を呼び捨てにすることが多かったが、同年11月、収容者の名前を呼ぶ際は「さん」付けすることを求める通知を全国の刑事施設に発出。受刑者に刑務官を「先生」と呼ばせていた慣習も改め、「担当さん」「職員さん」などと呼ばせるようにした。職場の文化変える浜井教授は刑務所に勤務していた当時、受刑者を「懲役」などと呼ぶ慣習を注意したことがある。こうした隠語によって「刑務官は受刑者を自分たちと同じ人間だと意識できなくなる」とみており、「名古屋刑務所の問題の原因もそこにある」と指摘する。
「改善・更生は人として尊重するところから始まる」とする浜井教授。受刑者を「さん」付けすることについても「尊重の意思表示となり、心構えや職場の文化を変えるという象徴的な意味がある」と強調している。(宮野佳幸)
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