なお「DSP」には2タイプがある。1つは「パワーアンプ内蔵DSP」でもう1つは「単体DSPだ。これらの違いは単純明快だ。前者はパワーアンプを内蔵していて、後者はそれを内蔵していない。なので「単体DSP」の方が導入のハードルは高くなる。しかし好きな外部パワーアンプを選べるので、自分好みのシステムを構築しやすい。ここでまた、別の疑問が頭をよぎるかもしれない。純正メインユニットにもパワーアンプが内蔵されているので、「それを使えば良いのでは?」、そう思う方もいるかもしれない。しかしそれは不可能だ。
というのも、信号の制御は音楽信号をパワーアンプにて増幅する前の微弱な状態で行いたい。増幅した後の信号では扱いが難しくなるからだ。なので信号を制御する「DSP」を用いる場合には、その後段にパワーアンプを置かなければならなくなる。しかしメインユニットには信号を戻せない。その理由は2つある。 1つ目の理由は、「純正メインユニットには多chの外部音声入力端子が備えられていないから」だ。「DSP」にて信号を制御する際には、ツイーター用の信号とミッドウーファー用の信号が別々にコントロールされることとなる。つまり使用するスピーカーが2ウェイならば信号は4系統に分割される。しかしメインユニットは4系統の入力を備えていない。「DSP」なら、純正メインユニットの「スピーカー出力」を入力可能!「DSP」には、「ハイレベルインプット」なる入力端子が備わっている。これはつまり、メインユニットの内蔵パワーアンプで増幅された後の信号を入力するためのものだ。なのでメインユニットのスピーカー出力の配線を「ハイレベルインプット」に接続すれば、「DSP」との接続を完了できる。そして「DSP」の中でその信号を一旦微弱な状態に戻し、その上で信号の制御が行われる。
なお実を言うと、純正メインユニット+「DSP」というシステム構築を実行した場合、1点、音質性能的にボトルネックとなる部分が出てくる。それは「音の入り口のクオリティが低いこと」だ。ソースユニットはあくまでも純正メインユニットのままなので、信号の読み取り精度はチープなままだ。 しかし、その部分の底上げも図れる。「パワーアンプ内蔵DSP」と「単体DSP」には外部入力端子も備わっているので、スマホやポータブルDAPを接続できる。それらを純正メインユニットを介して再生するよりも、ダイレクトに繋げた方が音質的に有利だ。ナビ音声を聞いたりラジオを聴きたいときもあるので純正メインユニットも繋がっていた方が良いが、こと音楽を聴くときには純正メインユニットは使用しない方が良い。しかも多くの「DSP」がデジタル入力端子も備えているので、デジタル接続を行えばさらに状況が良化する。今回は以上だ。次回以降も、カーオーディオに関する“素朴な疑問”の解説を続行する。お楽しみに。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。
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