9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化したが、米連邦準備理事会(FRB)は11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する可能性がある。写真は求人のサイン。米フロリダ州タンパで6月撮影(2021年 ロイター/Octavio Jones)米労働省が発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比19万4000人増と、市場予想の50万人増を大きく下回る伸びとなった。ただ、8月の雇用者数は当初の23万5000人増から36万6000人増へ上方改定された。
パウエルFRB議長は先月、9月の雇用統計が「適切な」結果であれば11月にテーパリングを開始する準備が整うと表明。バンク・オブ・ザ・ウエストのチーフエコノミスト、スコット・アンダーソン氏は「パウエル氏の『適切』というハードルをぎりぎりクリアしていると思う。引き続き11月のテーパリング発表が最も可能性が高いだろう」と述べた。 また、BKアセットマネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「FRBは11月のテーパリング開始に大幅な雇用の伸びを必要としていないことを明確にした」とし、FRBは「引き続き軌道に乗っている」とした。ノーザン・トラストのエコノミスト、カール・タネンバウム氏は「FRBは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)時のテーパリング開始に関する判断を十分裏付けるような大きな伸びを期待していた」と指摘。「11月2─3日のFOMCでの議論は一段と困難になるかもしれず、市場はさらなる不確実性に対応しなければならない」とした。
もっとも、労働市場では新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴う事業閉鎖後に開いた深い穴が埋まりつつある。米就業者数は昨年12月時点でコロナ禍前のピークを約1000万人下回っていたが、9月時点では約497万人まで縮小した。短期金利の期待を示すフェデラル・ファンド(FF)金利先物では、9月の米雇用統計が市場予想を大幅に下回ったにもかかわらず、FRBが22年11月または12月に政策金利を0.25%ポイント引き上げることを引き続き織り込んでいる。もう1つの焦点はインフレ率の動向だ。FRB当局者は来年には落ち着くと予想しているが、そのような展開にならなければ労働市場が完全に回復する前に利上げを実施せざるを得なくなる可能性がある。
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