FRBは1月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定すると同時に、利上げに忍耐強くある姿勢を表明。投資家の間では、こうした利上げ休止姿勢とバランスシートの縮小継続は効果を相殺し合っているとの見方が出ている。その上で、年内に縮小を停止することでFRBのバランスシートは国内総生産(GDP)の約16─17%に相当する規模になるとの見通しを示した。約10年前の金融危機前は約6%の水準にあった。FRBは2017年10月、金融危機後の対策で膨れ上がったバランスシートの縮小に着手した。数カ月前までは縮小は今後数年間継続するとの見方を示していたが、昨年11月以降に新たなアプローチを提示。FRB当局者は現在、短期金利の適切な制御には大規模なバランスシートが必要と考えているとみられている。ただFRBが保有する国債の償還期限の調整を行うのか、モーゲージ担保証券(MBS)をどのように手放していくのかなど、まだ明らかになっていないことは多い。パウエル議長は2時間にわたった証言の終わり近くになって、バランスシートについて発言。この日の証言内容の大部分は前日に上院銀行委員会で行った証言とほぼ同じだった。
この日の証言でも前日と同様に、政策枠組みの再検討に関して質問され、パウエル議長は、FRBがインフレ目標達成に向けたアプローチを調整しようとしているに過ぎないとし、「インフレ目標を引き上げることは検討していない」と述べた。FRB議長には議会で半期に一度証言を行うことが法律で義務付けられている。
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